実録「わたし、インチキ占い師やってました」 Vol.4 ~65歳、不倫女性の恋~

インチキ占いサイトでは、相談者がプロフィールを入力します。入力項目は、
・性別
・生年月日
・未婚・既婚
・血液型
この3つです。これは、相談者の立場を知るために重要な要素でした。生年月日をみて、「相談者には30~40代が多いなぁ」なんてわかったりするのですが、10代前半の女の子や、反対にとても高齢の方がいらっしゃって驚くこともありました。

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インチキ占い師がもらった65歳の不倫女性からの相談メール

65歳の女性からいただいた相談は、こんな内容でした。

「先生、はじめまして。私は今、結婚をして30年が経ちました。夫からの愛情は毎日ひしひしと感じております。しかしこの間30年以上ぶりに参加した同窓会で、気になる男性ができてしまいました。彼は高校2年生のときに私を好きだと言ってくれた人でした。この先、夫と過ごしたほうが幸せだということはわかるのですが、どうしても彼を好きだという気持ちを止められません。先生、私にとっての運命の人はいったい誰なのでしょうか?」

不倫や浮気という以前に、その情熱に驚きました。65歳でも恋に苦悩するのだなぁとびっくりしたのです。

「運命の人は、ひとりじゃない」説

ところで、こんなふうに失恋をしたり不倫をする人のなかには「私の運命の人って彼じゃなかったの?」と聞かれる相談者の方がたくさんいらっしゃいました。これを読んでいる方のなかにも『運命の人』を信じている人もいるのではないでしょうか? 私自身、本当に運命があるのかどうかはわかりません。けれど、インチキ占い師だった頃は、こう返していました。

「実は、運命の人はひとりだと思われがちなのですが、複数いる場合が多いのです。あなたの場合は、2人いるようですね。鑑定したところ、旦那様とも再会した彼とも非常に良縁でした。これならあなたが悩んでしまうのも無理はありません―」

こう言うことで、相談者は「よかった、私が恋に落ちてしまったのも仕方がなかったんだ……」という安心感を得ます。最終的にインチキ占い師は「今後は、あなたが望んだお相手と、深い愛情でつながっていくことが感じられますので、どうか安心してくださいね」と背中を押し、相談者の「望む未来」を探るために答えを引き出していきます。

運命に頼る人ほど幸せになれない

さて。先ほど「運命の人がいるのかどうかはわからない」とお話しましたが、運命であろうとなかろうと、人生を選択し、決断していくのは自分自身です。あるのかどうかもわからない運命に頼っている場合ではありません。運命論にこだわる人に共通することは、自分で何もしなくても幸運が降ってくると思っているという部分でした。

自信が持てないということは、責任が持てないということと似ています。自分で選択した人生に責任を持つのは、自分自身です。「占い師に言われたから……」「この人がこう言ったから……」という理由で選択し続けると、自分の人生がそこで止まってしまいます。占い師に胸の内をさらけ出すよりも前に、自分自身の気持ちと向き合い、決断するしか道を拓く方法はありません。

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