今さら聞けない!超初心者のための恋愛入門講座・第1回(アルテイシア)

第1回「恋愛や結婚をしたいけど、どこからどう始めていいか分からない人へ」

「彼氏いない歴=年齢です。恋愛や結婚をしたいけど、経験や知識がなさすぎて、どこからどう始めていいか分かりません」

そんな相談をよくいただきます。

現代日本には恋愛コラムや恋愛本が溢れてますが、それらの多くは「中級者以上」に向けに書かれています。
つまり「それなりに恋愛経験はあるが、本命ゲットまでは至らない」という女性に向けて、男心をつかむテクニックや駆け引きを指南している。

一方、恋愛経験ゼロの初心者は「デートでこんなテクを使えば男はメロメロ♡」と言われても「いやそもそもデートにすら辿りつかないんですけど?」「それ以前にデートしたいと思う相手すらいないんですけど?」と感じるんじゃないでしょうか。

かつての私もそうでした。自己紹介をすると、かつての私は一点の曇りもない、真正の喪女でした。
真正の喪女とは、「喪」というより「無」なのです。

つまり「告白しても振られてばかり」ではなく「異性との縁が無いため、告白にすら辿りつかない」。バトル漫画でいうと「俺たちの戦いはまだ始まってもいないぜ!」という状況。

私は中高一貫の女子校育ちで、思春期の6年間、異性との接点がほとんどないまま過ごしました。
数少ない接点といえば、男性教師かコンビニやファミレスの店員さんぐらい。そしてその店員さんが若い男だと、オドオドして目も合わせられないという遺憾な歴史でした。

「俺たちの戦いはまだ始まってもいないぜ!」と書きましたが、水面下では己とのガチバトルを繰り広げていました。「こんなブスでデブでダサい自分は一生恋愛なんてできないんじゃないか」というコンプレックスや不安との戦い。

転機となったのは、共学の大学に進んだことでした。しかも男子8割の学部だったため、当時は「おい地獄さ行ぐんだで!」というリアル蟹工船な心境だった。
けれども、男だらけの船に投げ込まれたことで、どうにか日常会話はできるようになりました。西洋人だらけの環境に投げ込まれたら「ギブミーチョコレート」ぐらい言えるようになるのと同じです。

とはいえ、ギブミーチョコレート以上のレベルは難しい。
経験値が低すぎるため、男子のいる合コンや飲み会に行くと「私は貝になったのか?」と錯覚するほど黙り込む、かと思ったら「今日こそ笑いをとってやる!」と蛮勇を発揮して、松野明美のようなテンションでしゃべりまくってドン引かれる。そんな新たな地獄の幕開けでした。

また女子校というと女の園的なイメージを持たれがちですが、実質は女だけの自主独立アマゾネス国家。
「男を立てる」「男に媚びる」なんて文化のない桃源郷で育ったため、お酌・取り分け・合コンさしすせそ的なモテテクを実践せよ、と言われても「そんなことしなきゃモテないなら、死んだ方がマシだ」と脊髄反射で拒否してしまう。

そんな「男受けなんて狙いたくない、でも彼氏はほしい、だが壊滅的にモテない」という状況から、紆余曲折を経て―――といっぺんにはしょりましたが、現在の私は「恋愛コラムニスト」というしゃらくさい肩書きをもつようになりました。
その紆余曲折で辿りついた真実は「恋愛はモテじゃなくマッチング」。

拙書『オクテ女子のための恋愛基礎講座』の冒頭で以下のように述べてます。

恋愛は選挙じゃない、モテとマッチングは別物。
私は多数の票を集めたいんじゃなく、自分にピッタリの「1票」がほしかった。不特定多数にチヤホヤされたいんじゃなく、たった一人の本命と結ばれたかった。もちろん「こんなにモテる私ってスゴイでしょ!」とツイッターで自慢したいわけでもなかった(というか当時はツイッターがなかった)。私が望んでいたのは、モテじゃなくマッチングだった……皆さんもそうではないでしょうか?
にもかかわらず「多数の票を集める=男受けする女にならねば」とプレッシャーに押し潰されたり、「王道モテ系になれない自分はダメだ」と自信を失い、本来の魅力をすり減らしていませんか?そんな女子たちに私は言いたい。「みんな、政権与党を目指さなくていいんだよ!」たった一人の支持者、愛し愛される伴侶さえいれば、人は幸せになれるのだから

「モテれば勝ち! モテこそ正義!」と唱える恋愛本と一線を画す拙書は、お陰さまで多くの女性の支持をいただきました。
また、タイトルにあるように「恋愛にオクテな女子」を読者に設定したため「一般の恋愛本と違って、基礎の基礎から解説しているので、初心者の私にも実践できました」という声が寄せられ、「初めて彼氏ができた」「婚活で出会った人と結婚が決まった」など、嬉しい報告もいただきました。
が、一方で「基礎よりもっと初歩の入門編を書いてほしい」という声もありました。

かつての私のように、異性と縁が無さすぎてどう接していいかわからない人。恋愛したくても、どこからどう始めていいかわからない人。わからないことだらけなのに「今さらこんなこと聞けないし」と誰にも相談できず、身動きのとれない女性は多いのでしょう。

今年7月に「女子限定! アルテイシアの大相談会&トークライブ」を開催した際も、こんな相談をいただきました。

私はアルテイシア先生の本に出会って、生まれて初めて「彼氏を作ってみよう!」と思いました。けれども、全てにおいて未知の世界なので、不安が山盛りです。デート時の朝から晩までの行動全てを逐一ご指導いただきたいところです。
でもそれはムリなので、一番引っかかるのが「お会計の流れ」でした。
ワリカンの時、相手がご馳走してくれる時、それぞれどういう行動をとるのが正解でしょうか?
お財布を見せるの?いつ見せるの?毎回お財布を見せ続けるの?どこで待機?お礼はいつ言うの?年下年上で対応は違うの?どちらが誘ったかによって対応は違うの?トイレっていつ行けばいいの?
等など、考え出したら止まりません。もう何もかも分かりません…考えすぎですか?恋愛を始めるために知識がほしい36歳。どうぞよろしくお願いします(36歳女性)

「これって正しい? 間違い?」「これって自然? 不自然?」と考えすぎて動けなくなるのは、初心者あるあるです。そんな相談者さんに、私は以下のように答えました。

初心者はデートを特別視しすぎなので、「会社の先輩とのご飯」と同じぐらいに考えるといいです。
先輩とのご飯だったら「何食べます?」とメニューを渡したり、グラスが開いたら「何か頼みます?」と自然に気をつかいますよね。お会計のときも「ここは払うよ」「いえいえ、払いますからっ!」なんて揉めず、「ごちそうさまです、じゃあ今度ランチごちそうさせてください」とか「じゃあ二件目のお茶は私が払いますね」とかスムーズに言えますよね。
細かいマニュアルにとらわれず、相手を会社の先輩だと思ってデートしましょう。

相談者さんのように「どの行動が正解?」といちいち考えていたら、デートはうまくいきません。
逆の立場で想像してみたら、彼女いない歴=年齢の男子が「マニュアル通りに正しく振る舞わねば!」と気負って、必死でドアを開けたり椅子を引いてくれたりしたら、落ち着かないでしょ?男性の緊張がつたわって、自分も楽しめなくなりますよね。
だから変に取り繕わず、素直に「緊張しちゃって」と伝えたほうがいいんです。

逆の立場でも、無理して慣れてる風に振る舞う男性より、「緊張しちゃって」と素直に言う男性の方が「飾らなくていいな」と好感がもてるし、ホッと和みますよね。だから、どこで財布を見せようとか、どこで待機しようとか考えず、「慣れてなくって」と笑顔で言えばオッケーです。

一番良くないのが、自分にばかり意識が向いちゃうこと。
「変に思われないようにしよう」「気に入られるようにしなきゃ」と自分のことばかり考えていると、相手に興味が向かなくなってしまう。会話中も「次、自分は何を話そう」と頭がいっぱいだと、相手の話をちゃんと聞けませんよね。
だから、なるべく自然体でリラックスして、自分じゃなく相手に興味をもって、「この時間を楽しもう」という姿勢で臨んでください

この相談者さんのように「わからないことだらけで不安、でもこんな初歩的なこと今さら聞けない、普通はみんなどうしてるの?」と悩んでいる方は、ぜひ質問や相談を送ってください。

おわりに

それでは次回から、初心者が恋を始めるステップについて、初歩から詳しく解説していきます。
第2回は「初心者が絶対するべき3つのこと」をテーマに語ります!

おわりに
『オクテ女子のための恋愛基礎宇講座』(幻冬舎文庫583円)

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written by アルテイシア

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