今すぐ不倫がやめたくなる「不倫がバレたときにかかるお金」の話

 以前、ある俳優が「不倫は文化」という迷言を残していましたね。でも、ちょっとした軽い気持ちで不倫をすると、後で大きなしっぺ返しを食らうことがあります。ここでは、不倫をしたことによって関係者にどんなリスクと出費があるかを見てみていきましょう。

社内恋愛&不倫はリスク満載

 以下のような不倫のケースを考えてみました。

 A子さん(23歳)は、入社2年目で、会社の受付嬢をしている美人です。A子さんには、学生時代から交際し、現在は婚約している彼(24歳)がおり、その彼と同棲していました。一方、会社の上司のBさん(35歳)は、部下からの信頼も厚く、仕事もバリバリこなし、家に帰れば良いパパです。Bさんには、妻(33歳)と小学生になる2人の子ども(8歳、6歳)がいます。

 さて、こういう状況でA子さんとBさんが不倫関係になりました。A子さんはBさんが既婚者であることを知っていました。一方でBさんはA子さんに婚約者がいることは知りませんでした。交際して半年が経過したある日、A子さんはBさんの子を妊娠しました。A子さんは子どもを産みたいと言いましたが、Bさんは反対しました。結局、A子さんはBさんと別れ堕胎することになりました。また、上司であるBさんから社内でも冷たく扱われるようになり、会社を退職しました。

 Bさんの妻は、かねてからBさんが不倫をしているのではないかと疑っており、興信所に調査を依頼していました。調査の結果、Bさんが不倫をしていたことが判明したので、Bさんの妻はA子さんに対し300万円の慰謝料請求をしました。A子さんはこのときの内容証明書を同棲している婚約者に見られてしまい、結婚は破談となってしまいました。

 破談となったのはBさんのせいだと考えたA子さんは、会社のあらゆる部署に宛てて、Bさんが自分と不倫をしていたことを知らせる文面を大量にファックスしました。その結果、Bさんの不倫は会社で表沙汰になり、Bさんは出世コースから外されてしまいました。

 さて、これだけでも不倫はリスクが大きいことはおわかりかとは思いますが、今回は訴えられるリスクと出費の面に焦点をあててみます。さて、上記のケースではどんなことが考えられるでしょうか?

不倫による出費

 まず、Bさんの妻は自分の夫を寝取ったA子さんに対して、慰謝料請求ができます。また、不倫は離婚原因になるので、Bさんの妻はBさんに対して離婚を求めることもできます。この際、Bさんの妻は、Bさんに対しても慰謝料請求ができます。また、離婚となれば、Bさんの妻は、子どもの親権を獲得できる可能性が高く、したがって、Bさんに対して子どもの養育費を請求することができます。さらに、Bさんに対して財産分与を求めることができます。具体的には、夫婦で築いた財産の半分を、BさんがBさんの妻に譲渡することになります。

 不倫の慰謝料の相場は、夫婦の結婚期間や年齢、子どもの有無、不倫の原因、不倫の期間、不倫の頻度、不倫相手の社会的地位、不倫相手に夫との間にできた子どもがいるか、不倫のほかに、夫婦仲が悪くなる原因があるかなど、さまざまな事情によって異なるので、一概には言えません。ただ、最近の裁判例では、金額は増加傾向にあるようです。だいたい100万円から500万円くらいが相場だと思われます。

貞操侵害は請求可能?

 A子さんはBさんに別れを告げられたことで、妊娠していた子どもも堕ろす羽目になりました。では、A子さんはBさんに対して損害賠償請求することはできないのでしょうか。これについては、原則として困難であると考えたほうがいいでしょう。不倫という違法な行為をしたために自身が傷ついたとしても、その損害について慰謝料を請求することは難しいです。ただし、例外的に、ひどい男がうぶな女性をたぶらかしたようなケースでは、貞操侵害を理由に慰謝料請求ができる場合があります。

婚約破棄による出費

 A子さんは婚約者がいるにもかかわらずBさんと不倫をし、その結果、結婚が破談となってしまいました。これは、不倫をしたA子さんの責任です。婚約者は、A子さんに対して、婚約破棄による慰謝料請求ができます。結婚式の準備をすすめていたような場合には、式場のキャンセル料なども請求できるでしょう。婚約破棄の相場も、最近は上昇傾向にあります。数十万円から200万円程度が相場だと思われます。

セクハラ被害は請求可能?

 Bさんは、職場でA子さんに冷たくあたり、居づらくなったA子さんが会社を退職していますが、これはセクハラだと指摘される可能性があります。会社及びBさんは、A子さんから訴えられる危険性があります。

名誉毀損・プライバシー侵害は請求可能?

 A子さんはファックスを大量にばらまいて不倫の事実を会社にバラしてしまっていますが、これはBさんの名誉を棄損しプライバシーを侵害するものです。よって、Bさんは、A子さんに対して損害賠償請求ができます。

 ただ、もしもA子さんがセクハラ被害を訴える過程で、不倫の事実を会社の人事部など担当窓口だけに知らせたようなケースであれば、それは正当な行為といえますので、A子さんがBさんから訴えられることはないでしょう。

不倫の代償は大きい!

 以上、不倫にまつわるリスクと出費についてお話しましたが、不倫は夫婦仲を崩壊させるだけでなく、不倫相手やその周囲の人間も巻き込んでのドロドロの争いにも発展しかねません。今回想定したケースのように、社内恋愛であればなおさらです。そして、慰謝料の金額もバカになりません。このように、不倫にはさまざまなリスクが伴いますから、くれぐれも安易に不倫をするのはやめておきましょう。

【暮らしの法律ガイド:酒井 将】


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