「ちょっと失礼な男ほどモテる」その理由と魅力とは?

「こんな風に自分をさらけ出せるのは、彼が初めて」

「今つきあっている彼、第一印象はよくなかったけど、何度かグループで会っているうち、なぜか惹かれてつきあうようになった」(28歳・女性)

「話していると、彼とは反対のことばかり言いたくなる。だけどそれにまたきちんと反論してくるのが悔しくて、また言い返して。そんなふうに自分をさらけ出せたのは、今の彼が初めてだったんですよね」(39歳・女性)

年齢を問わず、女性たちからそんな声を聞くことがある。第一印象はよくなかった、話していると議論が高じて口げんかみたいになってしまう……なのに、彼女たちはその彼と仲良く楽しくつきあっているようだ。

彼女たちが共通して口にするのは、「彼が私の心を丸裸にした」「自分をさらけ出せた」ということ。

人との距離感をぐっと縮める瞬間を知っている

人との距離感は千差万別。会っていきなり親しくなろうとする人もいるし、何度も会っているのにまったく距離が縮まらない人もいる。お互いの距離の取り方、縮め方が一致していればすんなり恋愛になるのだろうが、なかなかそううまくはいかない。

「私も今の彼と仕事で出会ったとき、あまり印象がよくなかったんです。とある企画を別会社の彼と組んでやることになっていたんですが、最初はこんな女に仕事ができるのかよという態度で、見下されている気がしてた。ただ、何度か会って仕事を進めていくうちに、たまたまランチを一緒にする機会があったんですね。そのとき彼が話したのは、自分の失恋話。おもしろおかしく、しかもあっさりと。ランチが終わって仕事に戻るとまた、険しい感じになっていたけど、そのとき、いい人なのかイヤな人なのかわからなくなってしまったんです」(アカリさん=仮名・33歳)

人の心を混乱させるのは、恋の第一歩かもしれない。仕事とプライベートでギャップがある男には、やはり女は目を引かれる。

「それから今度は『今日、晩メシでもいかない?』とメールがあって。仕事の話があるのかなと思って待ち合わせの店に行ったら、これが女子が喜ぶようなカジュアルながらセンスのいいイタリアン。そういうタイプに見えなかったので、びっくりしました。店の人とも気軽に話していて、いかにも慣れてる感じ。いい気分で楽しく食事していたのに、突然、彼が『アカリさんはさあ、もうちょっと髪型変えて、そうだな、髪の色ももう少し明るくしたら、もっといい女になるのになあ』って。……私、男の人にそういうこと言われるのが大嫌いなんですよ。思わずむっとしたら、『今までそういうこと男に言わせたことないんでしょ』と。『私の髪型をとやかく言うような関係じゃないでしょ』『怒った顔はかわいいんだよな』『それ、セクハラ』『なんで? オレ、アカリさんのこと好きなのに』って。なんだこの会話って、思わず笑ってしまいました。私、他人に『それ、セクハラ』なんて断罪するような言い方をしたことなかったのに、彼が相手だと言えてしまう。その日はずっとそんな調子で言いたいことを言っていました」(アカリさん)

「女性が言いたいことを言える空気」を作れる男

女性にモテるためにはとにかく話を聞けと言われているが、ひょっとしたら単に話を聞くだけではなく、女性が心のうちを自然にさらけ出してしまう空気を作れるか否かが大きいのかもしれない。

「言葉だけだと失礼なヤツなんだけど、彼の笑顔が憎めないんですよ。あのときから、なんだかわからないけど、何でも言える人だと思ったのかもしれない」(アカリさん)

その後、仕事は順調に進み、企画も大成功。彼は、彼女の知らないところで、「アカリさんのおかげでうまくいった」とあちこちに触れ回ってくれていたそうだ。そして一言、「アカリさん、今オレとつきあってもいいかなって思ってるでしょ」と笑った。

「『あなたが私とつきあいたいと熱烈に思ってるんでしょ』と言ってやったら、『うん!』ってニコニコ。負けた、と思いました(笑)」

いいヤツなのか失礼なヤツなのか、はたまた器が大きいのかセコいのか、よくわからない人だからこそ、好きになったのかもしれないとアカリさんは笑う。

出会って間もないころは、多少、むっとさせたり、何この人、と思わせることがあったとしても、「毒にも薬にもならないつまらないヤツ」と思われるよりは、男にとってはいいことなのかもしれない。好きと嫌いは表裏一体、どうでもいい男には無関心を貫くのが女性なのだから。

多面的な人間性を見せられる男こそがモテる?

人にはいろいろな面がある。瞬時に仮面を付け替えながら生きているようなものかもしれない。それを素直に見せられたら、女性もまた気楽になれるのではないだろうか。

知り合ってそれほど時間がたっていないのに、オンとオフを巧みに行き交うことができる男は、女性から見るとめまぐるしいけれど、興味深い存在になり得る。

アカリさんの彼も、仕事のときは真剣そのもの。だが、ランチになったら急に自分の失敗話で笑わせた。ディナーでは、いきなり土足でアカリさんの髪型にまで踏み込んでくる。ここで重要なのは、話す内容ではない。人間は、言葉から得る相手への感情は7パーセントに過ぎない。大事なのは、顔の表情や声の質、話し方なのだ。感じがいいとか悪いとかいうのは、おそらく、何を話しているかということ以上に、話し方に左右される。

そして、そこに表れるのは、やはりテクニックだけでなく、その人の人間性の根っこみたいなものなのではないだろうか。

「彼の笑顔が憎めないと言いましたけど、歪んでない笑顔なんです。会社の男性を見ていると、年齢を重ねれば重ねるほど、笑顔が歪んでいく人が多い。彼の笑顔は歪んでも澱んでもいなかった。だから多少、言葉が乱暴だろうと、土足で踏み込んでくるような発言をしようと、なんだこいつと思いながらも、半分おもしろがっている私がいたんでしょうね」――アカリさんはそう言う。

明るさや軽さを装っていても、根っこがどこか歪んでいれば、女性はすぐに見破れてしまう。とはいえ、人間、長年生きていれば、挫折や屈折や屈託のひとつやふたつ持ち合わせているものだ。それを男性たちがどう昇華して今に至るのかを、女性は自然と見抜こうとしているのかもしれない。

(文:亀山 早苗)