一度別れたのに……「復活不倫」の行く末は?

転勤した職場の上司が戻って来て……

不倫して別れたものの、再会して復活という例は少なくない。特に相手のことを嫌いになって決別したわけではない場合、焼け木杭に火がつくのはそれほどむずかしいことではない。

「5歳年上の職場の上司と2年ほど不倫をしていたのですが、彼が転勤になって自然消滅。家族と一緒に転勤していきました。3年後、彼はまた転勤し、その3年後に私がいる本社に戻ってきたんです。

6年ぶりに再会してから半年後、よりが戻ってしまいました。嫌いになって別れたわけではないから、いけないと思いながらもふたりとも気持ちを抑えることができなかった」

ナホコさん(39歳)はそう言った。彼女は結婚しているが子どもはいない。6年前に彼が転勤していくときは、お互いにあえて別れを言わなかったが、連絡もとらなかった。無理して関係を継続することに意味を見いだせなかったのだという。

「そこが独身同士と違うところですよね。物理的に離れたのに家族がいる者同士が恋愛を続けようとしたら、どうしたって無理が生じる。無理をしながらつきあったところで、きっといいことは起こらない。そう思っていました。おそらく彼も同じ思いだったのではないでしょうか」

戻ってきた彼の顔を見たときは、やはり恋心が渦巻いた。しかし、その時点では彼の気持ちがわからなかったから、ナホコさんはここでも無理をしなかった。

「お互いに異動があって部署が違うから、フロアも違う。彼が帰ってきて1ヶ月くらいたったとき、ようやく前の部署でも彼を招いて歓迎会をしようということになって。彼、人望があるからあちこちで歓迎会を開いてもらっていたんですよ。その歓迎会で、やっと話ができた。変わってないな、というのが再会したときの印象でした」

それからさらに2ヶ月がたって、ようやく彼から連絡があった。

「昼休みだったかな、携帯に電話がかかってきて軽い調子で『今日の夜、空いてる? 久しぶりに一杯やろうや』と。だからつい私も軽く『いいですねえ』と言っちゃった。その日は食事だけで帰ったんだけど、なんだか物足りなかった。

それで次の日に、『会えてうれしかったけど、この物足りなさはなんでしょう』とメールしたんです。彼からは笑顔の絵文字が返ってきました。それで数日後、会うなりホテルへ直行してしまって……。こうなると思っていた、とお互いに言いました」

それから1年。人目を忍びながら、ふたりは会い続けている。同じ会社だから、いつか再会することはわかっていただろう。それでも不倫というある意味で「めんどうでリスクの高い関係」に、もう一度踏み込むのはかなり決意がいるはずだ。

「やはり彼のことが好きだった。ただ、離婚して彼と再婚はあまり想像ができないんです。彼には子どもがいるし、親として無責任なことはしてほしくない。それに私は夫を嫌いになっているわけでもないんです。一緒に暮らしていくには本当にいい人だから。恋愛相手の彼は、私にとっては生活のパートナーではない。やはり恋愛関係でいたい相手なんです」

どちらが上というわけではないとナホコさんは言った。

別れてから8年後。偶然、再会して……

ショウコさん(43歳)は、大学卒業後に入社した会社で、5歳年上の先輩と恋に落ちた。だが、そのとき彼はすでに婚約しており破棄はできない状態。それを知った彼女は別れようとしたが、どうしても諦めきれず、結局、関係を続けた。だが10年後に妻にバレて別れることに。その後、彼女は友人の紹介で知り合った人と電撃結婚をして退職するが、うまくいかずに3年で離婚。そして別れてから8年後の今から3年前、不倫をしていた彼に羽田空港でばったり会った。

「離婚してから別の会社に再就職したんです。出張で私は札幌、彼は福岡へ行くところだった。それなのに偶然すれ違って、お互いに『あっ』って。とりあえず名刺を交換して、すぐに携帯番号や私用のメールアドレスを教え合って。

そのまま北と南に別れましたけど、出張から帰ってきてすぐ会いました。会ってはいけないとは思えなかった。むしろ、あんなふうに再会するということは、とにかく一度はふたりきりで会うしかない運命なのだと感じました」

そこに恋心がなかったはずがない。お互いに忘れられない相手だったのだ。彼女が離婚したことを彼は知らなかった。

「再会後、ふたりで会ったときになにげなく離婚のことを話したら、彼が涙ぐんだんです。『オレのせいできみの人生が狂ったのかもしれないな』と。結婚も離婚も私の意志ですから、誰のせいでもない。ただ、私が彼を忘れられなくて結婚生活がうまくいかなかったのは事実かもしれないとも言いました、正直に。彼は苦しそうな顔をしながら、『身勝手な言いぐさだけど、本音としてはうれしい』と。

結局、よりが戻りましたが、若いときよりうまくつきあえていますね。今の私はあのころとは違って、彼がすべてではない。仕事優先だし、趣味や友だちとのつきあいも大事にしています。彼も私も、再会後のほうが本音で話せるようになっていると思います」

再会が「縁」を強く感じさせ、お互いに大人になった分、相手の立場を考えながらつきあえるようになったと彼女は言う。もちろん、褒められた関係ではないことは彼女自身、重々承知はしている。それでもあえて、「彼」という人とつきあっていくことを望んでいるのだ。相手の妻を傷つけるリスクと自らの情熱を考えながら、彼女の恋は続いている。
(文:亀山 早苗)