【第5回】浮気や不倫、二股でもない“オープンな複数恋愛”をする「ポリアモリー」の私について(きのコ)

皆さんは「ポリアモリー」という言葉を聞いたことがありますか?
ポリアモリーとは、「恋愛のお付き合いは1対1でするもの」という限定をせず、全員がすべての関係に合意したうえで同時に複数の人とお付き合いする、という恋愛・性愛関係のことをいいます。浮気でも不倫でも二股でもない、「オープンな複数恋愛」とはどのようなものなのでしょうか。

この連載では、複数の人に同時に恋をしてお付き合いしている私・きのコが、ポリアモリー当事者の一人として、私なりの恋愛のかたちを綴っていきます。

前回は、ポリアモリーなお付き合いを実践するうえでの「嫉妬」の問題について、考えてみました。
今回のテーマは、ポリアモリーの「出会い方」についてです。
先日「どちらかがカミングアウトしないと始まらないし、カミングアウトしても相手がポリアモリーである確率は天文学的なのでは?」という質問をいただいたので、ここではそれにお答えしていきたいと思います。

ポリアモリーを実践するにあたり、最初に行うこと……。

まず、ポリアモリーを実践するにあたって、「どちらかがカミングアウトしないと始まらない」は、その通りだと思います。
今の日本の恋愛や性愛のあり方は、「1度に好きになるのは一人だけ、お付き合いは1対1でするもの」という考え方、つまり「モノガミー」であるという価値観が主流。

つまり、自分の恋愛の考え方について何も説明しなければ、周りの人たちから「この人は1度に好きになるのは一人だけ、お付き合いは1対1でする人」と判断されてしまう、ということです。
ゲイやレズビアンの人が何も言わなければ、「この人は異性愛者だ」と思われるのと同じですよね。ポリアモリー当事者であるとか、ポリアモリーを実践したいと思っているとかいうことは、外見からは判断できないのです。

「カミングアウトしても相手がポリアモリーである確率は天文学的なのでは?」については、なんとも言えないところです。
「ポリアモリーなんてマイノリティ中のマイノリティだよね。LGBTよりもっと数が少ないでしょ?」と言う人もいれば、「ポリアモリーってそんなに珍しいかなぁ? 誰でもポリアモラスな性質をもってると思うけど」という意見もあって、ここは人によって考え方が分かれるところのようです。

私個人は、「同時に複数人を好きになる」というポリアモラスな性質をもった人はそこまで少なくないのでは、という感じがしています。ただし、実際に複数人と合意のうえでオープンなお付き合いをしている、いわゆるポリアモリーを実践している人はそう多くない、という印象です。

ポリアモリー同士でないとお付き合いできないの?

もうひとつ大切なポイントは、「自分がポリアモリーだからといって、相手もポリアモリーでなければお付き合いできないとは限らない」ということです。

むしろ、「ポリアモリーはポリアモリー同士でしかお付き合いできない」「モノガミーはモノガミー同士でしかお付き合いできない」という意見の背後には、「お付き合いするには性質や価値観が同じでなければならない」という考え方があります。
極端な例えをするなら、「日本人は日本人同士でしかお付き合いできない」「ベジタリアンはベジタリアン同士でしかお付き合いできない」と言っているようなものです(でも、不思議なことに「女性は女性同士でしかお付き合いできない」と主張する人はほとんどいませんよね……。)

もちろん、性質や価値観はそれなりに似ていた方がお付き合いはスムーズに運ぶでしょう。
しかし、突き詰めればやっぱり、自分は自分・他人は他人なのです。似ていれば似ているほど、ささいな違いが気になってしまうなんてこともありますよね。

むしろ、「他人と私は違っていて当たり前」と思える方が、いざ価値観の違いに出くわした時に「こんなはずじゃなかった!!」と衝撃を受けず、「そうか、あなたと私はここが違うんだね。じゃあ、どうしようか?」と落ち着いて向き合っていけるのではないかと思います。

そのあたりを踏まえたうえで言うと、私の「出会い方」、ポリアモリー当事者としての仲間探しの方法をひとことで言うなら、「インターネットを使って」です。
SNSがこれだけ当たり前に使われている今では、人と人との出会い方としては、もはや珍しくもなんともない方法ではありますが。

たとえばTwitterでポリアモリーを名乗っている人やポリアモリーのイベントやグループなどを見つけ、そういう人たちとインターネット上でやり取りすることも、立派な「出会い」です。インターネットがない時代に、ポリアモリーだったりLGBTだったりといった外見からは分からないマイノリティの人たちが出会うのは難しかったと思いますが、今ではインターネットを使えば出会えない人はいない、と言っても過言ではありません。

もちろん、出会った先にある、実際に対面で会うとか、さらに恋人同士としてお付き合いをするとかは本人たちの合意次第ですが……。

今回はポリアモリーの「出会い方」についてお伝えしました。
次回はもっと具体的に、ポリアモリーに興味がある方が参加している交流会やイベントについて、ご紹介していきたいと思います。

 

Written by きのコ