【恋愛小説】私のカレイドスコープ ~妄想社内恋愛のススメ?~ 第5話「銀色センチメンタル」

~あらすじ~

セリカは、大手家具メーカーに勤める27歳OL。2年前、元カレに浮気されてフラれた過去をひきずりつつ、ときめきを求め、好みの男を見つけてはある妄想をしてしまう癖が。

営業部のプレイボーイ、企画部のイケメン上司、人事部の年下男子……と、妄想を駆り立てる相手には事欠かない。

めくるめく万華鏡(=カレイドスコープ)のように変わるセリカの脳内ワールド。それは、彼女の現実に恋人を引き寄せるスパイスになるのか?

第5話「銀色センチメンタル」

助手席

彼は自分の膝で私の足をこじあけ、スカートの中に手を入れて、パンティーを引きずり下ろす。

 

「いやです! やめ……て!」

狭い車内に二人がもみ合う荒々しい音が鳴り、私の声がその合間でとぎれとぎれに響く。彼の唇が、それをふさぐ。

「ぐっ……」

「いいから。優しくするから」

彼は慣れた手つきで私のパンティーを片足だけ抜き、さらに足を開かせた。

上半身はブラウスとブラジャーをたくし上げ、胸に顔をうずめる。なまめかしい舌づかいで私の乳首をねっとりと舐め、

「乳首、すごく硬くなってるよ」

とささやき、左手で乳房をもみながらさらにしつこく舌を這わせる。右手は自分の下半身におろし、硬くなった自身を私の太ももあたりに押し付けてくる。

狭い助手席には逃げ場がなく、私はどんどん体の力が抜けていく。それに反するように、鼓動と快感が体の奥からせりあがってくる。さらけ出された私の真ん中からは蜜があふれたし、内ももを這う彼の熱い棒をスルリと受け入れてしまう。

「あううっ」

彼が私を突く動きと一緒に、車は一定のリズムで揺れる。フロントガラスが、熱気で曇っていく……

【恋愛小説】私のカレイドスコープ ~妄想社内恋愛のススメ?~ 第5話「銀色センチメンタル」

 

えーーっと……

 

どういうこと?

 

私の妄想癖、前と何にも変わってない。

我ながら驚くほどの創造力で、どんな小さな単語からだって妄想世界を脳内に立ち上げることができる。

例えば、佐倉部長の場合は「車内でキス」という理沙の言葉→「カーセックス妄想」の流れ。

 

桐生先生だけが妄想の対象にならないというのには、どんな理由があるんだろうか。自分ではさっぱりわからなかった。

場合によっては、イケメンでもオシャレでもない、普通のおじさんでさえ、妄想の相手になることがあったくらいだ。

なのに、美形。白衣。ベッド。そんなおいしい材料が散りばめられているのに、何一つ生かしきれない。

早くこの謎を解明せねば。

妄想女子の名にかけて(握りこぶし)。

帰路~街中~

鈴子さんと肩を並べ、駅に向かって歩いていた。

「今日は、理沙ちゃんは一緒じゃないのね?」

「お昼にお茶飲んだ時、“今日は約束があるから”って言ってましたね」

鈴子さんの問いにそう答えると、彼女はちょっと真顔になり、「そっか」と小さくつぶやいた。

「何かありました?」

と私が聞くと、鈴子さんは「ううん、また今度三人の時に」と言い、「理沙ちゃん、デートかしら」と笑った。

 

彼女のその言葉が、すぐに「現実」となって、私たちの目の前に現れた。

 

駅に近いカフェの前を横切る時、オシャレなエクステリアから中の様子を何気なくのぞいた。

 

カフェのガラスを彩る、銀と青のイルミネーション。

そこから、一組の男女の姿が、フレームの中の絵画のように浮かび上がった。

「あ」

私は小さな声を上げて、立ち止まった。

 

女の方は、理沙だったのだ。

 

彼女は泣いているようだった。ハンカチで目のあたりを抑え、首をこくんと縦に振った。

いつもは自信たっぷりで、特に、男の前ではキラキラと輝きを放ちながら威圧感さえ漂わせている彼女だから、すごく珍しい姿だった。

 

別れ話でも切り出された?

 

けれど、次の瞬間……

 

雷に打たれたみたいに、衝撃が体を駆け巡った。

「ん? セリカちゃん、どうしたの?」

鈴子さんの声も、すぐには耳に入らない。

 

理沙の向かい側に座っていた男は……

 

桐生先生だった。

 

白衣は脱いでいたけれど、間違いない。

 

ラウンジで、桐生先生の話題に全然乗ってこなくて、すぐに話を変えてしまった理沙のことを思い出した。

 

つまり、桐生先生は、理沙の彼だったの?

【恋愛小説】私のカレイドスコープ ~妄想社内恋愛のススメ?~ 第5話「銀色センチメンタル」

再び会議室(臨時医務室)へ

翌日、理沙は会社を休んでいた。

私には、「ハンパない熱でた。39℃。インフルかも」

と、短いLINEが来た。

 

その日は、今月の健康相談の最終日だった。

 

理沙は、桐生先生に会いたくないから、ズル休みしたのかな?

それとも、フラれたショックで寝込んじゃったのかな?

 

気が付くと、臨時医務室の方へ足が向いていた。

いろいろ確かめたい気がした。

理沙のことも。

自分の気持ちも。

【恋愛小説】私のカレイドスコープ ~妄想社内恋愛のススメ?~ 第5話「銀色センチメンタル」

 

第1話から読みたい人は……
私のカレイドスコープ ~妄想社内恋愛のススメ?~
次回をお楽しみに!!

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