【恋愛小説】シークレット・レイン~禁断の社内恋愛~ 第8話

敦史が部長付きの役を解かれることになり、聖良のもとを離れて別の仕事をすることになった。「今までのお礼を」と聖良の誘いで出かけた二人は、ついに離れがたい想いを確かめ合い……

満月の下で(Atsushi&Seira)

晴れた夜空~Atsushi

俺と彼女は店を出て、肩を並べ黙って歩いた。

初めて会った時も、初めてキスをした時も、雨が降っていたのに、今夜は雲一つない綺麗な夜空で、満月がぽっかりと浮かんでいた。

 

しばらく歩くと、ホテルの灯りが見えた。

ラブホテルはどうしても嫌だったので、静かでスタイリッシュなシティホテルを選んだ。

受付で鍵をもらい、エレベーターに乗る。

俺は彼女の手をそっと取り、強く握った。

彼女も俺の手を握り返した。

【恋愛小説】シークレット・レイン~禁断の社内恋愛~ 第8話

女神の誘い~Atsushi

高層階の部屋には大きな窓があり、そこからも満月が見えた。

俺たちは向き合い、長く深い口づけを交わす。

こらえ切れない熱情が体の芯を揺さぶった。

 

彼女の肌は白く、その肢体はまるでバイオリンのような美しいフォルムをしていた。

耳を甘く噛むと、その艶やかな唇から「あ」と吐息がもれる。

耳から首、首から胸へと舌を這わす。

豊かな乳房をほおばりながら、指を足元へと滑らせると、彼女の息も声も少しずつ高まっていった。

俺が、

「名前、呼んで」

と囁くと、彼女はうるんだ瞳で俺を見つめ返し、

「あ…つし。敦史……」

と、うわごとのようにもらす。

彼女の額にかかる髪をそっと撫で、俺もまた、

「聖良」

と、つぶやく。

「聖良、好きだ」

「私も……好きよ」

ハスキーなその響きに俺の胸は熱くなり、欲情がさらに高まる。

俺は彼女の下半身に顔をうずめ、その花芯を丁寧に愛撫した。唇で鳥のようについばんだり、奥まで味わうように深く深く舌を入れたり。

「あっ……ああぁ」

彼女の声と呼応するように美しい泉があふれ、俺を誘う。

【恋愛小説】シークレット・レイン~禁断の社内恋愛~ 第8話

一つになる~Seira

彼の唇が、指が、舌が、繊細なリズムで私の心の鎧を剥がしていく。

 

敦史。

 

いつもは陽光が射すオフィスで「鳴海」と呼んでいる彼が、月明かりに妖しく浮かび上がるホテルの一室で、すべてをかなぐり捨てて、むき出しの彼になる。

 

もう、抗うことができない。私は、敦史が好きだ。

一つになりたい。

 

その瞬間、熱いものが私の中に入ってくる。

「ああっ!」

全身を稲妻に貫かれたような、激しい快感がほとばしる。

 

彼の熱情が込められた剣は私の奥深くに刺さり、動き、私の内側にいくつもの甘い爪痕を刻んでいく。

 

夫との情事では決して感じることのできなかった、無上の一体感。

彼の下で揺れながら、渦巻く快感に身をゆだね、悦びの涙を流していた。

私たちは何度も互いの名前を呼び、やがて、二人一緒に絶頂へとのぼりつめた。

【恋愛小説】シークレット・レイン~禁断の社内恋愛~ 第8話

罪悪感を越えて~Seira

早朝、私たちはホテルから別々に出ていったん家に戻り、何事もなかったように出社することになった。

 

私が先に部屋を出ようとすると、背後から彼の声がした。

「聖良」

振り返ると、

「なんでもないです。呼んでみただけ」

「またあとでね、敦史」

と、私もわざわざ名前を入れて返事をした。

「はは」と笑った彼の表情は、まるで少年のようだった。

 

リビングに入ると、起きたばかりの亮介がコーヒーを淹れていた。

一瞬ドキッとしたが、決して悟られないよう、平静を装う。

幸い、亮介は私が仕事で朝帰りしたと思い込んだらしく、

「無理しすぎちゃダメだよ。体壊しちゃうよ」

と心配そうに言った。

「ええ。気を付けないとね」

と、少しひきつった笑いを返した。そうして、コーヒーを継ぎ、「少し部屋で休んでくるね」と言って、寝室に入った。

 

罪の意識がないと言えば、嘘になる。

けれども、敦史と二人、後戻りできない道へと滑り出したことに、後悔はなかった。

 

体の奥には、まだ彼の感触が残っていた。

私は自分の肩を抱き、その甘い感覚をいつまでもかみしめていた。

【恋愛小説】シークレット・レイン~禁断の社内恋愛~ 第8話

第1話から読みたい人は……
シークレット・レイン~禁断の社内恋愛~
次回をお楽しみに!!

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