【恋愛小説】シークレット・レイン~禁断の社内恋愛~ 第12話

春奈に「彼のことは諦めたくない」と挑戦的な態度をとられ、さらに、彼女以外にも二人の仲に気づいている人物がいることを知った聖良は、敦史と距離を置いた方がいいかも……と深刻に悩むようになる。

引き裂かれる魂(Atsushi-side)

社内での情事

俺は、コピー室に向かう聖良を追いかけた。

水口が、

「鳴海、どこ行くんだ?」

と背中越しに聞いてきたが、俺は、

「ちょっと電話してくる」と

答えて、足早にオフィスを出た。

 

俺は聖良に、

「青木部長」

と声をかけ、近づき、その肩を抱くように強く引き寄せて、コピー室の手前にある小さな会議室に連れ込んだ。

 

会議室に入り、俺は内側から鍵をかけた。

聖良の手から書類の束が滑り落ち、床に広がった。

 

俺は何も言わずに聖良を長机に押し倒し、強引にキスをした。

そのまま、うなじへと唇を這わし、スカートをたくしあげる。

【恋愛小説】シークレット・レイン~禁断の社内恋愛~ 第12話

「どうしてこんなことを? だめよ……わかってるでしょう?」

「嫌だ。今、君が欲しい。なんで俺を避けるの? なんかあった?」

聖良は困ったように表情をゆがめ、抵抗を続けた。

「慎重になっているだけよ。だからいや。離して。会社でこんなこといけないわ」

と、小声で言った。

 

俺だって会社でこんなことすべきじゃないって、よくわかっている。

けれど、昨夜から聖良の返事がない。オフィスでもいつも以上に素っ気ない。

心待ちにしていた今夜の逢瀬がだめになる予感がして、いてもたってもいられなかった。

 

それに……

 

こうして社内で彼女を組伏し、その力を奪っている状況。

ホテルなら、彼女の唇からこぼれることのない「だめ」「いや」という言葉。

 

いつもとは違うシチュエーションが、俺の欲情を駆り立て、止めることができなくなった。

 

俺は彼女の下着に手を入れ、愛しい泉に指をすべりこませた。

彼女は「あぁ」と吐息を漏らし、俺の指の動きに応じて、抵抗力を弱めていった。

 

俺はズボンのチャックを下げ、熱くなった自身でたっぷりと蜜をたたえた聖良の中心を貫いた。

彼女は体をのけぞらせ、唇をかみしめ、声を殺した。その苦悶に満ちた顔で、俺の欲望はさらに燃え盛る。

自分も声が出てしまいそうなほどのエクスタシーが、体内を暴走する。

 

俺は先にオフィスに戻り、30分ほどして、コピーを終えた聖良が部長室に帰ってきた。

彼女は、匂い立つような色香をまとっていた。

 

美しい聖良。

すべては俺のもの。

 

そんな喜びも束の間……

 

結局、その日の夜は彼女と会えなかった。

さらに数日後、俺は宮本専務の部屋に呼び出され、思いもよらなかった事件を告げられることになった。【恋愛小説】シークレット・レイン~禁断の社内恋愛~ 第12話

衝撃の事件

休暇をとって岐阜の実家に帰省していた遠藤春奈が、自宅で手首を切って自殺未遂を図った。

 

幸い、命に別状はなかったが、春奈が走り書きのように残していた遺書らしきメモに、俺の名前があり、

「彼と結婚できないなら、もう生きていたくない」

と書かれていたという。

聖良の名前こそなかったけれど、俺が「別の女」と二股をかけた挙句に春奈を裏切り、捨てた……というストーリーらしい。

 

春奈は最初から、死ぬ気なんてなかったのだろう。

早めに見つけてもらうために家族のいる実家に行き、わざと、俺に責任をなすりつけようとしたのだと思う。

自分を冷たくあしらった、俺への復讐のため。

 

 

もっとやさしく、誠意をもって春奈と向き合っていたら、彼女をそこまで追い詰めることはなかったんじゃないか?

そんな後悔に胸がさいなまれたが……もうあとの祭りだった。

 

激怒した彼女の両親は、俺に対する「慰謝料請求の訴訟を起こすことも辞さない」と言ってきた。

それを避けたいなら、「他の女と手を切り、春奈と結婚するのが条件」だという。

 

会社からも、「責任が取れないのであれば、解雇か地方への左遷を検討せざるをえない」と通告された。

 

俺は、訴訟も解雇も怖くない。

けれどそれは、最も恐れていた、聖良との別れに直結するものだった。

 

聖良。

 

いとしい聖良。

 

俺は、どうすればいい?

 

すべてが、音を立てて崩れ落ちていく。

【恋愛小説】シークレット・レイン~禁断の社内恋愛~ 第12話

第1話から読みたい人は……
シークレット・レイン~禁断の社内恋愛~
次回をお楽しみに!!

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