12年ぶりの同級生との再会【恋愛とセックスのかけ算/28歳 純江の場合 第2話】

連休を使って、実家に帰ったときの事だった。久しぶりに母の手料理をおなかいっぱい食べ、上機嫌になった。

12年ぶりの同級生との再会 第2話(恋愛とセックスのかけ算/28歳 純江の場合)

「すみちゃん、彼氏とはうまくいってる? えっと晃一くんだっけ?」「うん、晃一くんのご両親に来月会いに行くことになったよ」「ほうー。いよいよ結婚準備だね」「あしたお店手伝うからさ、嫁の心得、いろいろ教えてよ。タケルくんのおかあさん、明日来るのかな」母はうれしそうに頷いてお茶をすすった。

母の経営する手芸店は、10坪ほどの小さな店で二人いれば充分接客できる。幼稚園の頃から母の店に行くのが好きだった。

色とりどりの毛糸や生地に囲まれて魔法の国のお姫さま気分になるからだ。黄色い毛糸を切って頭の上からたらし、「プリンセスですー」と言って遊んでお客さんを喜ばせた思い出がよみがえる。

タケルの母がレジの横に座り、計算をしていた。純江はすこし緊張した。「タケルくんのおかあさん、お久しぶりです」「まあ、すみちゃん、すっかりきれいなおねえさんになって。都会で暮らすとみんな変わるねえ」

最近の話題を話していると、タケルの母が突然携帯を取り出した。「タケルもいま、里帰りしてるから、ちょと寄りなって言ってみるわ。ゴロゴロしてたから」

「え! タケルくん、こっちにいるんですか?」純江は脈がドクドクはやくなるのを感じた。

午後、母たち二人が休憩で喫茶カレンに行くと言って出てしまったので、一人で店番をしているとタケルが店に現れた。「やあ、すみちゃん、10年ぶり? 今、東京のどのへんに住んでるんだ?」

「12年ぶりだよ。高校の時同窓会一回したじゃない。今はね、府中に住んでる」「そうかあ。なんかどんどん年とってるんだな。俺ら。俺、相模原の消防署に勤めてる。寮にいるんだ。あっち帰ったら飲みに行かないか」

驚くほどタケルは社交的になっていた。男の子は小さい頃は女の子を敬遠してあまりしゃべらないものなのに、大人になるとこうもフランクに話しかけてくるんだと、純江はちょっと不思議に思った。

「うん、飲みに行こう。連絡先、おしえて。あっ、来月、同窓会もあるよね。青山鉄二から連絡来たでしょ。FBに」「おう。俺は当直だから行けねえんだよ。よろしく言って。依田も行くって言ってたし」

赤や青の毛糸に囲まれて12年ぶりにタケルと話す空間は最高に幸せな世界だった。『タケルくん、やっぱイケメンだあ。昔っから整った顔してたけど、それに消防士さんだから身体鍛えてて、たくましくなってる。』純江はトロっとした気分で晃一とタケルを比べてしまった。

今の彼氏、晃一は細身で背もそれほど高くない。笑顔がすてきで、つくしてくれるところに惹かれた。いっしょにいるとラクチンなのだ。純江が気取ったり、見栄をはる必要がまったくない。

ただ、セックスは純江の方がリードしなければうまくいかない。元々性欲がないと自分で言うくらい草食系。純江の友達からも「晃一くん、癒し系だよね」という褒め言葉しか出て来ない。

結婚は穏やかなタイプとするのがうまくゆくと考えていたが、タケルの隆々とした胸元と腕を見ると気持ちが揺らぐ。あきらかに性的魅力をタケルから感じていた。

(つづく)

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(二松まゆみ)

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