自分を大切にするとはどうすること? 自己啓発に騙されないで!

自分を大切にしたいと思っている人の中には、自己啓発系の本を読んでいる人もいると思います。

例えば、本の中に「嫌なことは断りましょう」と書いてあって、それを読んだ時は「自分を大切にするって、こういうことなのね」と納得しても、実際に実践できない……ということの繰り返しで、自分で自分のことが心底嫌になって、自分を大切にするどころの騒ぎではなくなった人もいるはずです。

これはあなたが悪いのではなくて、自己啓発本の限界なのです。

自己啓発本の限界

本って原価がかかっていて売れないといけないので、どうしても人々のウケがいいように、手っ取り早く使えるハウツーをたくさん掲載するようになります。

だから、冒頭に書いた「嫌なことは断ろう」とか「考えても仕方のないことは考えないようにしよう」など、学校の教室に貼ってある標語みたいな言葉が並ぶことになって……で、結局誰も救われないというパターンに。

自己啓発の源流は例えば心理学にあって、心理学の源流は哲学です。哲学はそれこそソクラテスの時代から、自分を大切にするとはいかなることなのかについて、大真面目に取り組んできました。

ソクラテスって、「無知の知」の人ね。つまり「『自分は何も知らない』ということに誰よりも自覚的であると思いながら死んでいったおじさま」それがソクラテス。

ソクラテスについては、弟子のプラトンがたくさん本に書いているんだけど、「ゴルギアス」には、ソクラテスが自分を大切にするとはどういうことだと言ったのかが、書かれています。(書かれてあるように読めます)自分を大切にするとはどうすること? 自己啓発に騙されないで!

他人に良く思われたいという気持ち=自分を大切にしていない

ソクラテスが言う「自分を大切にする」とは、「魂(精神)の美しさを意識する」ということです。

具体的に「ゴルギアス」の中で彼は、「他人に良く思われるかどうか」という行動基準や生き方は間違ってるよね、それって自分の精神を汚す行為だよね、もっと自分に正直に、自他共に対して嘘のない言動をすべきだよね、と繰り返し述べています。

読んでいて途中で嫌になるくらい繰り返し、延々とそのようなことを違う言葉で述べています。

これは、そっくりそのまま今の私たちにも当てはまります。他人に良く思われようという気持ちが、例えばブラック企業を辞めれないことに繋がっています。

「会社はブラックだけど、上司には世話になったから辞めづらいな」と、辞めれない人はこう思いますよね。これを「上司に良く思われようとしている」と言います。

当然、その裏側には義理人情があるので、「自分を大切にするか、義理人情に生きるか」でかなり葛藤するはずだけど、多くの人は結局、最後の最後は自分を大切にして、つまり自分の気持ちにこれ以上嘘をつけなくなって、退職していますよね。自分を大切にするとはどうすること? 自己啓発に騙されないで!

「自分を大切にする」ことと「ワガママ」の違い

ちなみに、「自分を大切にする」というのと「ワガママ」の違いは、“正しいかどうか”です。ブラック企業を退職するか否かで迷っている時、「真に正しい選択はどちらだろう」と考えてみるのです。

3分考えて分からなければ、5分考えるのです。それでもダメなら3日でも10日でもずっと考え続けるのです。そしたらやがて、「正しいこと」と「正しそうなこと」が区別できるようになって、おのずと正しい選択ができるようになります。

言うまでもないことですが、ワガママは「正しそうなこと」であり、自分を大切にするというのは「正しいこと」です。人間の精神はそのようにできているからです。自分を大切にするとはどうすること? 自己啓発に騙されないで!

自分を大切に生きる上で大切なこと

常に自分に嘘をつかない生き方。つまり、自分を大切にする生き方を貫けば最後はどうなるのか?

ソクラテスは殺されてしまいました。正確に言えば、「自分で毒を飲んで死ぬか、他人に殺されるか、どちらかを選べ」と言われ自ら毒をあおりました。恐らくは、「奴らは俺より自分を大切にすることを知らない癖に」という深い侮辱の念と共に。

今の日本も同じようなものです。内部告発をしました、報復人事にあいました、というのって珍しくないでしょ?

つまり自分に正直に、自分を大切に生きるというのは、自己啓発が言っているような「標語」や「方法論」が大切なのではなくて、自己に正直に生きる「覚悟」が必要だということです。

この覚悟さえあれば、多少他人に文句を言われようと、他人から「ハミ子」にされようと、そんなこと知ったこっちゃないのです。

なぜなら、精神の美しさはこの世において何ものにも勝るからです。

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