ネガティブ・ケイパビリティとは何か。その意味や注目されている理由について

「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉をご存知ですか。現代社会において、重要度が高まっている考え方のひとつです。

ネガティブという言葉から否定的な印象を受ける人もいるかもしれませんが、実は「相手を思いやる」共感力の高い手立てであるという見方もあります。

本記事では「ネガティブ・ケイパビリティ」の意味だけでなく、注目されている理由、ネガティブ思考のメリットについて紹介します。

ネガティブ・ケイパビリティの意味

ネガティブ・ケイパビリティとは、一体どんな意味を持つのでしょうか。
作家・精神科医である帚木蓬生氏は、著書『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』の中で、次のように述べています。※1

「ネガティブ・ケイパビリティ(negative capability 負の能力もしくは陰性能力)とは、『どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力』をさします。
 あるいは、『性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力』をさします」

ネガティブ・ケイパビリティが注目されている理由

「ネガティブ・ケイパビリティ」に関連する書籍では、現代人に必要な能力は「共感する」ことだと記されています。

現代社会では、「早急に答えを出す」ことが求められます。しかし、物事は簡単に答えの出ない事態の方が多いのではないでしょうか。「結果を急ぐ」ことは、解決できない問題や中途半端な状態を無視することに他なりません。私たちは、そんな早急な現代社会の中で、大切な何かを失っているのかもしれません。

大切な何か。それは、「共感する力」なのではないでしょうか。
ネガティブ・ケイパビリティとは何か。その意味や注目されている理由について

ネガティブ思考の特徴

ネガティブ思考というと、マイナスな特徴として捉えがちです。
しかし、まさにネガティブな考え方や負の経験こそ、「共感する力」につながるのではないでしょうか。

思考は、経験によって形成されています。ネガティブ思考は、辛い経験がベースとなっていると考えられるでしょう。そんな経験があるからこそ、相手を共感する力が生まれるとは言えないでしょうか。

それでは、ネガティブ思考の特徴についてご紹介します。

● 失敗を恐れて、行動できない
● 自分に自信がない
● マイナス面ばかり気にしてしまう
● 後悔した過去に固執する
● 他人と自分を比べて落ち込みやすい
● 心の中で「NO」と思いつつ、「YES」と言ってしまう
● 小さなミスでも、いつまでも引きずってしまう
● 完璧主義の傾向がある
● 何でも一人で抱え込んでしまう
ネガティブ・ケイパビリティとは何か。その意味や注目されている理由について
当てはまるものが多かったとしても、どうか落ち込まないでください。
ネガティブ・ケイパビリティの考え方を取り入れて、ネガティブ思考を「共感力」に変えてみましょう。

ネガティブ思考のメリット

どんなことでも、必ずプラスとマイナスの面があります。視点を変えて、ネガティブ思考のメリットについて考えてみましょう。

危険回避能力が高い

常に不安や心配の種を探しているので、本当の危険を察知しやすいという利点があります。

最悪の事態への対応能力がある

ネガティブ思考を持つ人は、いつも最悪の事態を想定してしまう傾向にあります。それは別の面から見たら、「悪いことが起きた場合のシミュレーション」を怠っていないとも言えるでしょう。実際にネガティブなことが起きても対応が可能なのです。

想像力が豊かである

起きてもいないことを不安に感じたり、心配するということは、想像力が豊かな証拠です。心の中にたくさんの「物語」を持っていると言えます。
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相手の悲しみや悩みに、寄り添うことができる

ネガティブな思考を持つ人は、「感じやすい」心を持っています。そのため、相手の辛さや悲しみに心から共感することができ、相手の立場になって物事を考えることができるのです。

いかがでしょうか。
ネガティブ思考のメリットは、「共感」に繋がりませんか。

ネガティブ・ケイパビリティに関する本

それでは、「ネガティブ・ケイパビリティ」に関する本をご紹介しましょう。

『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』(帚木蓬生/朝日新聞出版)
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18977

数多くの小説を生み出した作家であり、経験豊かな精神科医である帚木蓬生氏が、実際の臨床の現場でネガティブ・ケイパビリティという考え方がいかに大事か、分かりやすい言葉で説いています。また、シェイクスピアや紫式部と言った歴史的な有名作家たちの、ネガティブ・ケイパビリティ能力の高さについても言及。とても興味深い一冊となっています。

<まとめ>ネガティブ・ケイパビリティという考え方を味方につける

ネガティブ・ケイパビリティで示されているネガティブという言葉は、決して否定的な意味ではありません。「負の力(ネガティブ・ケイパビリティ)」はすなわち、「耐える力」。特にネガティブ思考に苦しんでいる方は、ご自身が持つ「共感する力」に視点をシフトしてみてはいかがでしょうか。
この考え方を味方につけて、目の前のことに取り組んでいきたいですね。

参考元:
ネガティブ・ケイパビリティ「がまんできない大人たち」|HUFFPOST
https://www.huffingtonpost.jp/masayuki-tanaka/negative-capability_a_23208493/

引用文献:
※1 帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』(朝日新聞出版,2017) P3

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