「いただいた」の使い方や例文5つ|類語や言い換え表現もあわせて紹介

普段何気なく使っている「いただいた」という言葉ですが、正しく使えているでしょうか。丁寧な表現をしたつもりでいても、実は間違った使い方をしているかもしれません。

この記事では、正しい使い方と、類語や言い換え表現についてご紹介します。

「いただいた」の意味

「いただいた」の使い方や例文5つ|類語や言い換え表現もあわせて紹介

「いただいた」という言葉は、日頃からよく使ったり聞いたりしますが、正しく使えているでしょうか。敬語の種類であることはわかっていても、正しい意味や使い方を理解している方は少ないかもしれません。

「いただいた」の表現方法には、ひらがなと漢字の2種類があり、ひらがなで表記するのは補助動詞として使う場合です。「いただく」「いただいた」は、自分よりも上の者を敬って迎える「〜をしてもらう」「〜してもらった」という意味の謙譲語になります。

漢字では「頂いた」と「戴いた」の2つの表記があります。読み方が一緒でも意味は違います。漢字の場合は意味が変わってくることを理解し、正しく使用できることが大切です。

それでは、この「頂いた」と「戴いた」2つの意味の違いについて詳しく解説していきます。

「頂いた」「戴いた」との違い

「頂いた」は、「飲む」「食べる」などの動詞の謙譲語として、もしくは「もらう」の謙譲語として使います。

「戴いた」は、あまり使われることはありませんが、「有り難く受け取る」という意味で、謙譲語として使用します。特に敬意を表すべき相手の場合は「戴いた」と表記します。

どちらも動詞として使う場合には漢字で表現しますが、動詞の補助的な役割で使用する際にはひらがなを使って表現をするという決まりがあるので、注意が必要です。

「いただいた」の使い方や例文5つ

それでは、「いただいた」の使い方について5つの例文を見ながら説明します。それぞれの使用されている場面を想像しながら理解すると、いざ使わなければならない時にスムーズに使うことができるでしょう。

1:ものをいただいた

「ものをいただいた」と使う際の「いただいた」は、「もらう」の謙譲語表現です。謙譲語とは、自分がへりくだり、相手を敬う言い方をすることです。

「結婚祝いとして、友人から素敵なグラスを頂いた。」という使い方ができます。この例文では、グラスをもらったということを、友人を敬うよう謙譲する言い方にするために、「頂く」を使用しています。

2:紹介いただいた

「紹介いただいた」は、紹介してくれたことに感謝しているという気持ちが入った表現です。紹介するという動詞を補助する役割として「してもらう」を使うのですが、その謙譲表現として、「いただく」を使います。

日本語の表現として、補助動詞としての役割をするものは漢字で表記はしないという決まりがあるので、ここで使用する「いただく」は漢字表記しません。

「取引先のAさんから、新しい取引先を紹介いただいた。」という使い方ができます。

紹介してもらった、という表現を「紹介いただいた」とすることで、Aさんを敬った表現に言い換えをしています。

3:いただいた次第です

「いただいた次第です」という言い方は、主にビジネスシーンで状況を説明する際に使われる表現で、なおかつ目上の方に対して使う表現です。また、お礼状を書く際にも使える表現です。

「部下から報告を受け、取り急ぎ○○様に連絡をさせていただいた次第です。」という使い方ができます。

この例文は、連絡するに至った経緯を説明する際に、「させてもらう」という言い方を謙譲表現したもので、相手を敬った表現です。遠慮しながらもその行為をしたという時に使います。補助的に「いただく」を使うので、ひらがなで表現します。

4:いただいたメールで恐縮ですが

「いただいた」の使い方や例文5つ|類語や言い換え表現もあわせて紹介「いただいたメールで恐縮ですが」は、相手から先にメール連絡してもらっているのに、こちら側の用件を伝えなければならない時、遠慮する気持ちを込めたい場合に使います。

「いただいたメールで恐縮ですが、前回の企画書でのご質問に回答させていただきます。」という使い方ができます。

本来であれば、自ら連絡して回答しなければならないところ、先に相手からメール連絡をしてきたため、遠慮しつつも回答するという状況で使用します。

5:いただいたにもかかわらず

「いただいたにもかかわらず」というのは、相手側がしてくれたことに応えることができない場合に使われる表現です。

「せっかくお電話いただいたにもかかわらず、お役に立てず申し訳ありません。」という使い方ができます。

この例文は、相手が連絡してくれたのに、力になれなかったことに対してお詫びをしている状況です。連絡するという動詞に補助動詞として「いただく」がつくので、ひらがなで表記します。

「いただいた」で覚えておきたいポイント

「いただいた」という言葉で覚えておきたいポイントは、二重敬語に気をつけること、「くださった」との違いに気をつけることの2点です。丁寧な表現をしようとするあまり、間違った表現をしてしまいがちです。

では、この2つのポイントを詳しくご紹介します。

二重敬語に注意する

二重敬語とは、同じ意味の謙譲語を2回使ってしまうことを言います。

二重敬語の例として、「拝見させていただいた」があります。拝見は「見る」の謙譲語で、「させていただいた」は、「させてもらった」の謙譲語なので二重敬語となってしまいます。

この場合は、「拝見いたします」としたいところですが、実はこれも二重敬語となってしまいます。ビジネスシーンでは使われがちなのですが、正しくは「拝見します」なので覚えておきましょう。

「させていただく」の正しい使い方

二重敬語で少し説明しましたが「させていただく」は、「させてもらった」の謙譲語です。この正しい使い方は、相手の許可を受けて行う場合でその行為で恩恵を受ける場合に使用することです。

「写真を撮らせていただきます」は、相手に写真を撮って良いか許可を取った上で行動に移しているので、正しい使い方と言えます。

「くださった」との違い

「くださった」というのは、「くれる」の尊敬語の「くださる」の過去形です。一方、「いただいた」というのは、「もらう」の謙譲語の「いただく」の過去形です。どちらも状況としては同じなのですが、視点が自分か相手かという違いがあります。

また、積極的に相手側がやってくれたこと、尊敬することに関しては、「くださる」、こちら側からお願いしてやってもらったこと、感謝することに関しては、「いただく」を使うとしっくりくるでしょう。

「くださった」についてですが、補助動詞として使用する以外は、「下さった」と漢字表記にしても差し支えありませんが、よく注意して使うようにしましょう。

「いただいた」の類語や言い換え表現3つ

「いただいた」には、類語や言い換え表現がありますので、合わせて覚えておくと良いでしょう。それらは、「賜った」「頂戴した」「与った」です。シチュエーションに合わせて使い分けできるよう、この3つの言葉の使い方をご紹介しましょう。

1:賜った

「いただいた」の使い方や例文5つ|類語や言い換え表現もあわせて紹介「賜った」は、たまわったと読みます。「いただく」という表現が、「してもらう」の謙譲語ですので、自分またはその他の人が含まれる言い方です。しかし「賜った」となると、より限定した表現になり、相手の行為が自分のみに向けられたものと言う意味になります。

2:頂戴した

「頂戴した」も「もらう」の謙譲語です。主に物品をやり取りする時に使われます。また、それ以外には相手の予定を聞きたい時や、何か相談ごとをしたい時などに、「お時間を頂戴してよろしいでしょうか」と使うのも正しい使い方です。

3:与った

「与った」は、あずかったと読みます。関わりを持つこと、ものを受け取ること、何かを得るこという意味の言葉です。

ビジネスシーンでは、「ご相伴に与ります」と使うことがありますが、これは目上の方に対して、ご馳走になる、同席させていただくという意味で使われます。

「いただいた」を正しく使いこなそう

「いただいた」という言葉の使い方、類語や言い換えについてご紹介しました。日頃、何気なく使っていた言葉も、正しい意味を知ることでより理解が深まります。

様々な機会で、目上の人と話す場面があるでしょう。「いただいた」を正しく使うことで、きちんとした日本語が使える社会人として認めてもらえるきっかけとなるかもしれません。

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