“花言葉”はいつから使われるようになった?
日本では昔から花言葉が存在していますが、具体的にいつ頃から使われるようになったのでしょうか?
元々花言葉は17世紀頃にトルコで発祥したと言われています。トルコには花に気持ちを託して恋人へプレゼントする「セラム」という風習があったそうです。
この風習を知ったイギリスのメアリー・W・モンタギュー夫人が花言葉の文化を一冊の本にまとめ出版したことにより、世界中へ花言葉が伝えられたと言われています。
そのため日本に花言葉が入ってきたのも17世紀以降ですが、本格的に輸入されたのは19世紀末(明治初期)の頃です。
輸入された当初はヨーロッパで流行っていた花言葉をそのまま日本でも使用していましたが、徐々に日本人の生活に馴染むように変化していき、日本の花言葉が形成されていきました。
ただし、日本や世界では花言葉が誕生する前から、花や植物に意味を持たせていました。
例えば、古代ギリシャではギリシャ神話の名残から、アポロンの聖樹である月桂樹から作った月桂冠を名誉のしるしとして競技の勝者に贈っていました。
名誉のしるしとなっていたのは、月桂冠を死ぬまで身に付けていたとされているアポロンが、太陽神で弓の名手と言われており、ギリシャ神話における最高神・ゼウスの息子であったためです。
また、オリンピックや国際連合の旗にも描かれているオリーブは、旧約聖書のノアの方舟で、鳩がオリーブの枝をくわえて方舟まで戻ってきたことから、以降平和を意味する植物として使われるようになりました。
こうしたことから、花言葉が誕生する前から人々は植物に意味を持たせていたことが分かります。
人気の花言葉一覧
花言葉の起源について触れたところで、ここからはいよいよ各花の花言葉をご紹介していきます!まずは人気がある花からご紹介していきましょう。
バラ
バラには「愛」や「美」といった花言葉がありますが、実は色や本数によって大きく花言葉が異なります。
例えば、赤いバラには「あなたを愛しています」や「愛情」、「熱烈な恋」というように、赤色から連想される燃え上がるような恋を意味する花言葉が見られます。
一方、白いバラには「純潔」や「深い尊敬」など、白く清いイメージの言葉などが挙げられていますね。
他にも黄色いバラは「嫉妬」や「友情」、ピンクのバラには「上品」や「しとやか」といった意味を持っています。
なお、青いバラはこれまで生産できずにいたため「不可能」という花言葉でしたが、現在は日本の研究者によって青いバラを誕生させたことから「夢かなう」や「奇跡」などの花言葉へと変わっていきました。
本数別に異なる意味は以下の通りです。
1本…一目惚れ、あなたしかいない
2本…この世界に2人だけ
3本…愛しています、告白
4本…死ぬまで私の愛は変わらない
5本…あなたに出会えて本当に嬉しい
10本…可愛い人、あなたは完璧
50本…永遠、偶然の出会い
99本…永遠の愛、ずっと一緒にいてほしい
100本…100%の愛
101本…これ以上ないほど愛している
中には15本の「ごめんなさい」や16本の「ころころ変わる不安な愛」、17本の「絶望的な愛」といったネガティブな花言葉も見られるので、バラをプレゼントしようと考えている方は、ぜひ本数にも注目してみてください。
ガーベラ
フラワーアレンジメントなどにもよく利用されているガーベラも、色によって花言葉の意味が異なります。ガーベラ自体の花言葉は「希望」や「前進」と、ガーベラにピッタリ合う前向きな言葉です。
黄色には「究極愛」や「究極美」、ピンクには「感謝」や「崇高美」などの意味があります。また、人気のオレンジには「神秘」や「冒険心」といった意味合いを持っているようです。
チューリップ
昔から多くの方に愛されてきたチューリップの花言葉は「思いやり」です。日頃お世話になっている人や大切な友人に花をプレゼントしたい時は、チューリップを選んでみるのもおすすめですよ!
なお、チューリップも色によって花言葉が変わってきます。赤は「愛の告白」や「真実の愛」、ピンクには「誠実な愛」といった意味があります。
一方、黄色には「名声」や「望みのない恋」、白は「失われた愛」というように、中にはネガティブな意味となってしまう花言葉も存在するので注意が必要です。
ただ、黄色や白のチューリップも美しいので、「思いやり」という花言葉を重視して選んでみてはいかがでしょうか?
ひまわり
夏の花を代表するひまわりは、見た目も華やかであり花言葉も前向きな言葉が多いのでは?とイメージされる方も多いでしょう。
しかし、実はひまわりの花言葉の中にはネガティブなイメージにつながるものもあります。
ひまわり自体の花言葉は「憧れ」や「あなただけを見つめる」です。花の向きが太陽の方向を常に差しているため、この花言葉になったと考えられます。
ひまわりは黄色のイメージがありますが、白のひまわりには「程良き恋愛」、紫には「悲哀」という意味になります。
また、大輪だと「偽りの愛」や「偽のお金持ち」、小ぶりのひまわりには「高貴」や「愛慕」の意味を持っているそうです。
あじさい
梅雨の時期に咲くあじさいは、春・夏の贈り物として喜ばれる人気の花です。日本が原産となっていますが、現在は西洋にわたって改良された西洋あじさいも人気を集めています。
そんなあじさいの花言葉は「移り気」や「一家団らん」などがあります。移り気という言葉は、花の色がその時期によって変わることから付けられたと言われています。
一方、「一家団らん」という花言葉は、あじさいの花の特徴である小さな咢(がく)が寄り添いあって生きているイメージから付けられました。
このことから、最近では母の日にもプレゼントされるようになったんですよ!
色別で見ると、定番の青いあじさいには「辛抱強い愛情」、白は「寛容」、ピンクには「元気な女性」といった花言葉が付けられています。
ダリア
鮮やかで大輪の花を咲かせるダリアは、花束に入っていると華やかさが出るので、選ぶ人も多いのではないでしょうか?
ダリアは人気なだけでなく品種も現在3万種を超えており、豊富な種類があることでも知られています。
そんなダリアの花言葉には、「優雅」や「気品」、「気まぐれ」、「裏切り」などがあります。優雅や気品、気まぐれは、ダリアのイメージにもピッタリの花言葉ですよね。
その一方で裏切りという花言葉も付けられています。裏切りという花言葉が付けられたのは、ナポレオンの妻・ジョセフィーヌが関係していると言われています。
ジョセフィーヌはダリアがとても好きで、自分の庭だけで育てていたのですが、貴族の女性がそのダリアをこっそりと盗み、自分の庭で育て始めたのです。
その事実を知ったジョセフィーヌはひどく悲しみ、ダリアへの興味が薄れてしまったことから「裏切り」という花言葉が付けられました。
ネガティブな意味もありますが、色別の花言葉を見るとどれもポジティブな意味で飾られています。赤いダリアは「華麗」、白は「感謝」、黄色は「優美」という花言葉が付けられています。
特に日頃のお礼を言いたい相手には、白のダリアをプレゼントして感謝を伝えてみましょう!
テーマ別花言葉一覧
人気の花を中心に花言葉をご紹介してきましたが、ここからはテーマ別に花言葉をまとめてご紹介していきます。
花言葉から花を選びたいという方は、ぜひチェックしてみてください。
【「ありがとう」を伝えたい時におすすめの花言葉】
感謝の気持ちを相手に伝えたい時、ちょっと言葉で表すのは恥ずかしいという方は花言葉を利用して「ありがとう」を伝えてみませんか?
花言葉の中には感謝を伝えたい時に使える花言葉がたくさんあります。
人気の花でもご紹介したピンクのガーベラには「感謝」という花言葉が付けられており、花束にするのも可愛さと華やかさが両立できるのでおすすめです。
また、赤いカーネーションには「母への愛」という意味が込められています。毎年母の日に感謝の気持ちを込めてカーネーションをプレゼントするのは、花言葉の意味も伴っているためです。
他にも、ホワイトレースフラワーという白く細かい花を咲かせる植物にも「感謝」という花言葉が付けられています。
同じく感謝の花言葉が付けられているのは、赤色のポピーやベルフラワー(オトメギキョウ)、カンパニュラ、トルコキキョウなどが挙げられます。
【門出を祝したい時におすすめの花言葉】
人生の中には出会いもあれば別れもあります。仲間や家族の門出を祝してプレゼントする時は、花言葉も取り入れてプレゼントを考えてみてはいかがでしょうか?
例えば、ユリの女王とも呼ばれ結婚式のブーケにも選ばれることが多いカサブランカには、「祝賀」という花言葉が付けられています。
まさに、門出を祝したい時にピッタリな花言葉です。
ピンクのカーネーションには「あなたを決して忘れません」という意味が込められており、仲が良かった友達が離れ離れになってしまう時などにおすすめの花と言えます。
他にも、門出を祝したい時におすすめなのは以下の通りです。
・スイートピー…成功
・エーデルワイス…大切な思い出
・ペンタス…希望が叶う
・ネリネ…また会う日を楽しみに
・サザンカ…困難に打ち克つ
・シクラメン…退職と別れの言葉
・ネモフィラ…どこでも成功できる
相手が幸せになってほしいと思う気持ちを、ぜひ花言葉に託してみましょう。
【幸福につながるおすすめの花言葉】
花言葉は前向きな言葉が多く、幸福を増してくれるようなものも見られます。花言葉を知っている上で家の中に飾ったりすれば、その花を見るたびにハッピーになれるでしょう。
「幸福」という意味を持つ花言葉はたくさんあります。例えばピンクのバラやピンクのチューリップ、たんぽぽ、カスミソウ、ブルーデイジーなどが挙げられます。
春に咲く花や色味が派手過ぎず綺麗なものが多いので、家の中でも飾りやすいのではないでしょうか?
また、ドラセナという人気の高い観葉植物にも「幸福」という花言葉が付けられています。
このほか、幸せになれるような花言葉が付けられているのはどういったものがあるか見てみましょう。
・青のカーネーション…永遠の幸福
・黄色のスターチス…愛の喜び
・白のアザレア…あなたに愛されて幸せ
・黄色のヒヤシンス…あなたとなら幸せ
・スズラン…再び幸せが訪れる
・イチゴ…幸福な家庭
・コスモス…愛や人生がもたらす喜び
・黄色のパンジー…つつましい幸せ
・フクジュソウ…永久の幸福
白のアザレアや黄色のヒヤシンスは、一緒にいて幸せになれる人へプレゼントするのもおすすめですよ。
【ちょっと怖い?!おすすめの花言葉】
花言葉はポジティブなものが多いですが、中にはネガティブな意味が込められているものもあります。少し怖い花言葉にはどのようなものがあるのでしょう?
まず、春になると白い花を咲かせるクローバーは、「幸運」や「私を思って」などの花言葉がある一方で、「復讐」という花言葉も付けられています。
復讐という花言葉が付けられているのは、宗教的な見方をすると「幸福と不幸は表裏一体」の考え方があり、クローバーは四つ葉をイメージさせ十字架にはり付けされてしまうと連想されるためというのが理由だそうです。
また、クロユリには「恋」や「愛」の他に「呪い」という花言葉が付けられています。クロユリに「呪い」という意味が付いてしまったのには戦国時代に起きた伝説が関係しているそうです。
佐々成政という大名がいたのですが、側室が妊娠し幸せな家庭を築こうとしていました。
しかし、側室が妊娠したことで周りの反感を買ってしまい、ついには「お腹にいる子は浮気相手の子どもだ」という噂が流れてしまったのです。
この噂を真に受けてしまった成政は起こり、妊娠していた側室を殺し、その一族まで殺害していったと言われています。
側室は殺される間際、「立山に黒百合咲かば、佐々の家は滅しよう」という呪いの言葉を叫んで死んでいったそうです。
その後、成政は豊臣秀吉に気に入られようと正室のねねへクロユリを贈っています。
ねねは淀の君に珍しいクロユリをもらったと自慢するのですが、密かにねねがクロユリをもらったという情報を知っていた淀の君は、大量のクロユリを事前に取り寄せたのです。
珍しいから自慢したにも関わらず、大量のクロユリを見せられたねねは恥をかいてしまい、その結果佐々成政は失脚したと言われています。
おわりに
今回は人気の花とテーマ別に花言葉をご紹介してきました。
同じ花でも色や本数によって花言葉が違っていたり、色が同じでも意味を2つ以上持っているものもあります。
違った意味を持っている場合は、贈る時に花言葉をあらかじめ説明しておくと勘違いされずに済むでしょう。
ぜひプレゼントで花を贈る時は、花言葉にも目を向けてみてくださいね!
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