今年は「マスク 肌荒れ」の検索数が昨年の20倍に
マスクによる肌荒れに悩む女の子は少なくないものの、今年は特に悩まれている肌トラブルのようです。
ヤフー株式会社が分析した美容関係のレポートによれば、昨年に比べて「マスク 肌荒れ」のキーワードでの検索数は約20倍にもなったと報告されています。
また、ポーラとアペックスが行った独自調査でも、長時間のマスク着用で肌トラブルを感じたかどうかという質問に対して、79%の人が「はい」と回答していました。
具体的には、ニキビや吹き出物の発生、肌のかゆみ・赤みといったトラブルが起きているようです。この結果からマスクによる肌荒れに悩む女の子が非常に多いことがわかりますね。
マスクで肌荒れする原因はなぜか?
そもそも、マスクと肌荒れにはどのような関係性があるのでしょうか?
ここからはマスクで肌荒れしてしまう原因に関して聖心美容クリニックの皮膚科指導医長である小林院長の解説をみていきましょう。
①皮膚の炎症
マスクによる肌荒れは皮膚が炎症を起こしている状態だと考えられます。長時間マスクをつけていると、マスクの中で肌は汗をかいてしまいますね。
汗をかくと乳酸と一緒に炭酸水素イオンが他の離れた存在へと変化し、皮膚は弱酸性からアルカリ性に傾きます。
そうなると、ニキビ菌などの雑菌が繁殖されやすくなり、炎症の原因となってしまうのです。
②保湿過剰による肌の不調
マスクによる肌荒れを防ごうと、きちんと保湿を心がける人が多くみられます。ただ、それが肌荒れを悪化させる原因になっている場合もあります。
乾燥対策に保湿化粧品を厚塗りすると、汗と呼吸によりマスク内が過剰に保湿された状態となってしまいます。
過度な保湿は水分と皮脂のバランスを崩したり、肌本来が持つ回復力や美肌力を弱めたりしてしまうので、肌荒れが起きやすくなるのです。
③摩擦による肌荒れ
肌にしっかり密着するマスクを着用している場合、肌とマスクが擦れてしまいます。摩擦により肌や肌バリアが傷付けられ、乾燥しやすい状態に……
マスクをしている間は潤っている感じがしますが、外すと乾燥や皮脂でベトベトした感じがする場合は摩擦により肌バリアの機能が低下している可能性が高いです。
④ニキビ
マスクの着用で肌が弱り、そこにニキビ菌などの雑菌が付着すればニキビが起きやすくなります。ニキビができた場合は、ニキビ用の化粧水の使用や皮膚科での治療を考えましょう。
⑤汗あれ
汗あれとは、汗の成分で肌がダメージを受けて肌荒れを起こしてしまうことです。マスクの内部は蒸れやすく、皮膚の角質層がふやけた状態になります。
これも肌のバリア機能を低下させる原因であり、ふやけた状態のままでマスクをつけると汗やマスクの繊維で肌が刺激され、マスク汗あれを招いてしまいます。
マスクをつけていてムズムズ感やチクチク感があれば、汗あれを起こしているかもしれません。
参考: “マスク汗あれスパイラル”に要注意! 顔の肌トラブル急増の原因と対策を皮膚科医が解説
聖心美容クリニック 熱海院院長 小林 美幸(こばやしみゆき)
「すっぴん.Dr」として、ノーファンデーション主義を貫く聖心美容クリニックきっての美肌の持ち主。皮膚科学に関する深い知識・実績を持つ。
間違えたスキンケアへの鋭い指摘に、ファンが多い
肌荒れしないマスクの選び方
マスクによる肌荒れを回避するためには、肌へダメージを与えにくい素材を選ぶことが大事です。触ってみて肌触りの良い素材のマスクがおすすめです。
夏は特に蒸れやすいので、蒸れにくい素材のマスクを選ぶのもポイント!
ラテックスのマスクもありますが、ラテックスアレルギー(天然ゴムアレルギー)を持つ方は、肌荒れや炎症の原因があるので注意してください。
また、ゴムが強いマスクは肌とマスクが密着し、摩擦を起こす原因に……そのため、ゴムの長さを調節できるものが理想的です。
汗が染み込んだマスクは雑菌が繁殖しやすいので、洗濯できる素材のマスクもおすすめです。
インナーマスクの場合、マスクの端やゴム部分の清潔が保てないので汗をかいたらマスク全体を取り替えることも心がけてくださいね。
マスク時のメイク
蒸れによりガッツリとメイクをしてもすぐに崩れてしまいます。食事の時などマスクを外さなければいけないシーンも考えて、いつもより薄めのメイクが理想的です。
化粧下地の後はファンデーションが基本ですが、適度にカバー力があるお粉やフェイスパウダーでも十分です。
使用する化粧下地は毛穴やくすみをカバーできるもの、皮脂防止機能付きなど肌の悩みに合わせて選んでくださいね。
チークはクリームやリキッドを選ぶと、パウダーよりも崩れにくくなりますよ。
マスクを外した時の全体のバランスを考えつつも、アイメイクはしっかりやっておくとマスクをつけたままでも手抜きを与えませんよ。
マスクで肌があれないスキンケアのコツ
原因でも述べましたが、肌荒れを起こしやすいからと過度な保湿は逆に肌によくありません。
マスクをつける時はたっぷりと保湿化粧品を使うのではなく、基礎化粧品は軽くつけるように心がけてください。
逆に夜は肌のバリア機能を整えるために、保湿ケアに徹底しましょう。
保湿力のある基礎化粧品の使用以外に、美容液やパックでのスペシャルケアを取り入れるのもおすすめです。
また、マスクで隠れていない部分は紫外線の影響を受けやすいので、日焼け止めやUVカット機能のある化粧下地を使いマスク焼けを予防することも美肌の維持では重要です。
紫外線には肌のバリア機能を下げる作用があるので、乾燥肌の原因となってしまいます。
マスクの中にも紫外線は多少なりとも入ってしまうので、露出している部分だけではなく顔全体に紫外線対策をすることがポイントですよ。
日差しが強い時は日傘を使い、直射日光を避ける工夫もしておくと安心ですね。
また、汗の成分や蒸れによる雑菌の繁殖も肌荒れの原因となるので、汗をかいたりマスクが湿っぽくなったりしたら取り替えもしましょう。
同じマスクは使わず、使い捨てなら捨てて、洗えるタイプなら毎日洗って清潔をキープしてくださいね。
オススメのスキンケアアイテム
マスクの肌荒れを抑えられるスキンケアアイテムに注目が集まっています。数あるアイテムの中から、おすすめのものをピックアップしてご紹介しましょう。
マスクずれ防止 マスクにはるこちゃん
相模カラーフォーム工業から発売される、マスクのズレを防止してくれるアイテムです。ふわふわとしたスポンジ素材で、マスク内部の鼻が当たるワイヤー部分に本商品を取り付けて使用します。
取り付けると喋ったり、口を動かしたりしてもマスクがずれにくくなるので、肌への摩擦を軽減することが可能です。マジックテープなので脱着が可能で、何度でも使えます。
COLD MASK FIT
ギャレリアインターナショナルから発売される冷感ポリエステルを使ったマスクです。冷感素材なのでマスクが蒸れにくく、快適な着け心地となっています。
超軽量の立体型のマスクなので顔にしっかりフィットし、長時間つけていても違和感や不快感はないでしょう。
吸熱・保水・蒸発性にも優れています。繰り返し洗って使用できるので、毎日洗えば清潔もキープできますよ。
薬用バーム
イハダから発売される、高精性ワセリンが配合された保湿クリームです。抗肌あれ成分も含まれているので、乾燥などの影響で起きる肌トラブルの予防に効果的です。
マスクをする前に保湿クリームとして使えば、適度に肌へ保湿効果を与え、さらに摩擦の軽減にもなります。
保湿クリームといってもベタベタ感はなく、サラリとしたつけ心地なのもおすすめポイントです。
AGARISM トーンアップUVスティック
アカランから発売されるスティックタイプの日焼け止めです。SPF50+・PA++++なので強い紫外線もガードし、さらに成分の70%以上がスキンケア成分なので保湿や美肌効果もあります。
2種類の微粒子パウダーが肌を綺麗に見せてくれるので、化粧下地の役割も十分です。ウォータープルーフタイプなので、汗をかきやすいマスク着用時も落ちにくく安心ですよ。
スティックタイプなので手を汚さず、塗り直す時もサッと塗れるところもおすすめポイント!
おわりに
マスクで肌を隠すことが多くなり、「どうせ隠せるから」という理由でスキンケアを怠ってしまう女の子は少なくありません。
しかし、そのマスクが肌荒れの原因になっているかも…… 肌荒れが起きてしまう原因や肌の優しいマスクの選び方、スキンケアのポイントを知れば、マスクの使用に対する不安を取り除けますよ。
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