SNSでも人気の保護猫!その現実とは?

猫はもともと、リビアヤマネコという野生動物をはるか紀元前の昔に、人間が飼いならし、イエネコとして品種改良を施したものです。つまり元は家禽や家畜、それから犬と同じく自然の中では存在しなかった生き物ということになります。

これが意味することは一つですね。世界中に拡散してしまっている猫。いわゆる野良猫たち。彼らは人間の管理が不徹底だったことで自然下で繁殖し、過酷な屋外生活を余儀なくされているということになります。

筆者はペットコラムでも連載を持っていますが、野良猫の生活の実態というのをレポートするたびに、心が痛くなります。

虐待もある。交通事故によるロードキルもある。猫同士での喧嘩や、同じ外来種であるアライグマとの争いによって命を落とす場合もある。ノミ・ダニや感染症が蔓延し、病死するリスクもある。

屋外は猫にとって、まさに地獄なのです。そんな地獄のような環境から猫を救い、お世話や駆虫、予防接種に病気の検査などを経て里親を募集する活動をする方々がいます。

そのほとんどは手弁当で、ろくに寄付もない中での活動です。いわゆる保護猫活動がこれにあたるわけですが、今回はその活動についてのお話をしていきたいと思います。

保護猫活動、猫を本当に助けたい人ばかりが苦労をするという現実

今回このコラムを書くにあたって、かわいい保護猫出身の猫ちゃんたちの画像をいっぱい紹介して、「あ~今が幸せでよかったねえ」みたいな内容の話ばっかりして終わる……

ってのもそれはそれでいいと思ったのですが、しかし一方で少しでも保護猫について能動的に学ぼうとする人がいた場合、そんな内容のコラムでは「もっと踏み込んだ話をしてよ」と思われるだけってのが関の山なので、もう一つ踏み込んだ話をしたいと思います。

現在、筆者は3頭の猫と暮らしていますが、彼らは元保護猫、捨て猫という出自です。

夏場にひどい猫風邪にかかった状態で炎天下の環境で段ボールに入れられ、一緒にいた兄弟は死に、やっと助かった生後間もない猫。

飼い主によるネグレクトに心を閉ざし、最終的にはその飼い主に捨てられて我が家に来た猫。

野良猫にしては毛並みが綺麗で虫もそこまでいない状態で、恐らく捨てられたのか車の往来の激しい路上をうろついていた猫。

いずれもみな、人間がちゃんと管理していれば、もっと幸せな幼少期を過ごしていたはずの猫たちです。

保護猫活動をしている愛護団体の方々は、そういう猫を保護してお世話をし、里親さんにつなげるという尊い活動に熱心です。本当に頭も上がらないことはこのことなんですが、一方で感じてしまうのが、そういう猫を遺棄する人に対しての憤りです。

今年の夏場にも、ある地方の地域猫たちのコミュニティにお邪魔しているとき、猫のお世話をしている団体がいるからでしょうか。4頭の子猫が捨てられているのを発見しました。

すぐにその団体に連絡するも、収容する余裕がなく。最終的には警察に連絡をし、保健所に移送する手はずとなりました。

ここで筆者が猫を保護すればそんなことをする必要はないのですが、こっちは狭い家で、既に3頭の保護猫と暮らしています。新たに4頭を受け入れる場所も、お金の余裕もなく。ここは泣く泣くそういう対処をすることとしました。

もちろん、いったん保健所に移送された猫を、同じ地域の別の保護団体が引き出してくれるという予定あっての決断でしたが。

……でも、なんで猫を大事に思う人間が、そんな心苦しさをおぼえないといけないのか。本来なら遺棄する側の人間が、もっと深刻に考えるのが正しいのじゃないか。未だに怒りがおさまりません。

他人に委ねて知らんぷり。そういう人が実際多いんです。屋外に猫がいて、それが減ることもないまま保護猫という言葉だけが話題になっても、筆者は意味がないと感じています。

根底にある問題を把握し、少しでも猫の遺棄、それから野良猫への無責任な餌付けがなくならない限り、100年後だってきっと同じことが繰り返されるだけでしょう。

保護猫と暮らすと分かる、血統も出自も関係ない愛おしさ

ちょっと湿っぽいというか、嫌みな言い回しをしてしまいましたが、これも保護猫を取り巻く現実を知れば無視できない話だったので、前項ではああいう物言いをしてしまったところです。

が、実際保護猫と暮らせばその日常は一気に華やぐこと。これは間違いありません。

猫という動物は人よりも、どちらかといえば環境に懐く動物。猫が暮らしやすい部屋作りをするのは楽しいし、知恵の絞りがいがあります。

縦の空間を生かすためにキャットタワーを設置したり、猫が落ち着けるベッドを用意したり。おのずと猫第一の生活がスタートします。

いざ一緒に暮らしてみれば、血統書がなくても、本当の誕生日が分からなくても、さほどそれが問題とは思えないぐらいに、楽しいものです。

家に懐けば飼い主にも心を開くようになります。元々屋外で暮らして、ごみを漁って生きていたような保護猫も、すぐに素敵なパートナーになってくれますし、そうなったのは飼い主のことを認めてくれるからこそ。これこそ猫と暮らすうえで、一番の喜びでしょう。

猫を飼えなくてもできる! 保護猫寄付活動のススメ!

保護猫への関心がもっと強くなれば、相対的に不幸な猫、里親を待っているけどなかなかチャンスがないという猫は減ることでしょう。

しかし、残念ながら住環境の問題、アレルギーの問題から、猫を家族に迎えることができないという方も多くいらっしゃるはず。

もし、そういう境遇にあって、それでも猫のためにできることを探している…… という方がいらっしゃるなら、こんな支援はいかがでしょうか?

「昨今のコロナ禍のせいで、流通する予定だったみかんジュースが廃棄の危機に瀕している」と、和歌山県の有限会社中田鶏肉店さんがSOSを出しています。が、そのSOSの出し方がなんともユニーク。

引用元

和歌山県みかん100%のみかんジュースを、猫好きのための「ニャンジュース」として予約販売をスタートしたのです。特製のパッケージデザインを施されたニャンジュース。ただ猫のデザインがプリントされているだけではありません。

なんとこのジュース、猫専用のこたつ(みかんジュースが入っている段ボールが組み立てキットになっており、工作することでこたつになる!)がセットになっており、しかも売り上げの2%が保護猫活動のために寄付されるのです。

これなら、既に猫と暮らしている方にとっては美味しいみかんジュースに加えて飼い猫用のこたつもゲットできて、しかも保護活動のための寄付にもなるし、猫と暮らしていないという方であっても寄付はできて、猫用こたつを身近な猫の飼い主さんへのプレゼントとして役立てることもできます。

食品ロスを減らし、保護猫のために役に立つこともできる。しかもみかんジュースは美味しい! まさに一石三鳥! とても良い試みが満載の販売方式ではないでしょうか。

おわりに

冒頭でも書いたように、猫は別に日本由来の野生動物ではありません。人間が品種改良をしたものが、長い時間をかけて日本にもやってきて、そこで増えてしまっただけ。

本来は私たちが適正に管理、飼育しなければならない動物たちです。

保護猫活動とは、猫たちを元通りのスタイルで、責任をもって飼育するための最初の一歩となるものですから、これについてはもっと理解が広まって、みんなで手助けもしたいところですよね。

猫を捨てない。屋外の猫を、それが普通だと思わない。そういう本来当たり前の感覚をみんなで共有して、保護猫を家に迎えたり、飼育は無理だけど、少しだけお手伝いをするといったような姿勢を持つこと。

これが不幸な猫をこれ以上増やさないための、一番の方法ではないでしょうか。

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