なぜ仕事を押し付けられる? 押し付ける側の考え方や対処の仕方を解説

仕事を押し付けられることが多くて困っているという方は「どうしたら仕事をうまく断れるか」と対処法に悩んでいるのではないでしょうか。この記事では、なぜ仕事を押し付けられるのか、押し付ける側の考え方や対処の仕方について解説します。

仕事を押し付けてくる人特有の考え方4パターン

仕事を押し付けてくる人特有の考え方4パターン

本来自分がやるべき仕事ではないものを、やらされ続けることは辛いところでしょう。そのせいで自分の仕事が片付かなかったり、残業になってしまったりと、負荷が大きくなり肉体的にも精神的にも疲弊してしまいます。

そうならないために対策するには、なぜ押し付けられるのか、押し付けてくる人特有の考え方を知ることが大切です。まずは仕事を押し付ける人の思考を把握しておきましょう。

1:自分は責任を負いたくない

基本的に「責任を負いたくない」と思っている人は、得意な作業でミスが生じにくい業務は自分でやり、難しい仕事ほど人に押し付けてくるでしょう。

また、業務量が多いと責任を負う範囲が広くなるため、仕事のキャパシティを超えそうになると「これ以上仕事は受けられない」と言い、周りに仕事を押し付けてきます。

2:楽がしたい

楽がしたい気持ちが強い人も仕事を押し付けてくる人の考え方でしょう。「同じ給料をもらうのであれば少しでも楽がしたい」という気持ちを持っていることもあり、自分の仕事を人に渡そうとします。

「あなたを信用しているから任せる」と口では言っても、内心では自分の業務量を減らして楽をしたいという目的の場合があります。

3:ハイレベルな仕事の成果を自分のものにしたい

仕事を押し付けてくる人は、ハイレベルな仕事の成果だけを自分のものにしたいというずる賢さを持っている可能性があります。そのため、やり遂げたときに周りから評価されるような仕事があれば、横取りしようとするでしょう。

たとえば単調な作業で時間のかかる部分は誰かに押し付けて、提出は自分で行えば、事情を知らない人は、提出する人がその仕事をやり遂げたと感じるでしょう。

4:自分が一番正しい

仕事を押し付けている人は、自分の価値観や精神論が正しいと思っている場合があります。正しいことを言える自分が適切な人材に仕事を任せている、あるいは割り振っている、という気持ちを持っていることもあるでしょう。

仕事を押し付けられるときの6つの対処の仕方

仕事を押し付けられるときの6つの対処の仕方

仕事を押し付けてくる人の考え方がわかったところで、仕事を押し付けられたとき、どう回避するかを見ていきましょう。

対処の仕方は自分から行動しないといけない部分もありますが、現状を変えるためも勇気を持って対処していきましょう。仕事を押し付けられるときの対処法には以下のようなものがあります。

1:はっきりと断る

これができれば一番楽ですが、はっきりと言いにくいことって多いですよね。

「無理です」「自分でやってください」と突っぱねるような言い方ではなく、「もういっぱいいっぱいで受けられないんです」とこちらの状況を伝えると断りやすくなります。

私の場合、誰でも確認できる予定表に1日のスケジュールをパンパンに入れ「今日はもう無理、受けられない」アピールをしていました。すると自然と、予定表を確認してから仕事の依頼をしてくれるようになりました。

2:話しかけにくいオーラを出す

忙しそうにしていると、話しかけてくる人がかなり減ります。話しかけられても、パソコンから目を逸らさず「なんですか?」と言うとさらに忙しく見られます。

態度が悪いと思われそうですが、「すみません、手が離せなくて」と一言追加すると、本当に忙しいんだな…… と思ってくれます。

3:上司に相談する

あまりにも仕事を押し付けられることが多いときは、一人で抱えずに相談することも大切です。

「押し付けられるのは嫌」という主観的な意見ではなく、「仕事の効率も下がって部署全体に影響が下がる可能性がある」と客観的な意見を話すようにしましょう。そうすると、大きな問題として捉えられやすくなるので効果的です。

4:日頃からはっきりとした喋り方をする

日頃からはっきりとした喋り方をすると、仕事を押し付けたときにはっきり「どうして私に頼むのですか、自分では本当にできないのですか」と言い返される可能性があるため、気が強い印象のある相手に仕事を押し付けにくくなるでしょう。

自分の考えをはっきりと主張できない人の場合、「この人に仕事を押し付けてもNOと言わないだろう」と認識されてしまい、ターゲットにされてしまいがちです。仕事では自分の意見を伝えるようにしましょう。

5:仕事量の共有化を図る

仕事を押し付けられてしまう原因として、仕事量の共有化がなされていない可能性があります。仕事が多い状況であっても上司や周囲はそれを認識していないことで仕事を押し付けられてしまうことがあるでしょう。

6:自分の仕事量をきちんと把握しておく

自分の仕事量はきちんと把握しておきましょう。他人の仕事を受ける余裕がないときは、「今は自分の仕事の量が多くできない」という事実がなければ、断る説得力に欠けてしまいます。

「仕事を増やしたくないから断った」と受け取られると自分が困ったときに周りが助けてくれない状況になる場合もあるため、仕事をこれ以上増やせない理由を伝えるといいでしょう。

複数の案件を抱えている、納期が明日までで余力がないなど、相手にはっきりと状況を伝えられるように日頃からタスク管理を徹底しましょう。

仕事を押し付けられがちな人9タイプ

仕事を押し付けられがちな人9タイプ

仕事を押し付けられがちな人と、押し付けられにくい人がいます。なぜ仕事を押し付けられるのでしょうか。

仕事を押し付けられる人には、これから紹介する以下のような特徴があるでしょう。仕事を押し付けられがちの人はぜひ参考にしてください。

1:真面目で責任感がある人

真面目で責任感ある人は、言われたらその通り動くと思われている可能性があるため、仕事を押し付けても責任を持って取り組んでくれると思われていることがあります。しっかりと仕事をこなしてくれるため、信用もあり、安心して頼めるのです。

2:仕事熱心な人

仕事熱心な人は、仕事をすることが好きなようにも見られてる可能性があります。何を頼んでも熱心に取り込んでくれると思われ、仕事を押し付けられてしまうことがあります。

率先して周りのサポートをする人や休憩時間にも仕事をする人、嫌な顔をせず残業している人などは、仕事熱心な人として捉えられている場合があります。

3:仕事ができると思われている人

仕事ができる人は、「この人なら完璧に仕事をこなしてくれる」と周りからの信頼も高いため、さまざまな仕事を押し付けられる可能性があります。

職場全体が忙しいときはとくに、仕事のできる人に早く仕事を片付けて欲しいと周囲も考えているでしょう。仕事ができるからといって、多くの業務を押し付けられ、人の何倍も仕事をするのは不満に感じてしまいます。

自分に仕事が集中していると感じたときは、自分の業務量や状況を説明し、はっきり断る姿勢を意識してみましょう。

4:何でも前向きに捉える人

何でも前向きに捉える人は、仕事を押し付けたいと考える相手に利用されてしまうこともあります。

たとえば、仕事を押し付けられても、「自分を頼って仕事を任せてくれた」と感じます。ポジティブに受け取ってしまうことで、仕事を押し付けられても押し付けられていることに気付きにくい場合があります。

相手が「楽をしたいから」などの理由で仕事を押し付けていることを知ってしまうと、嫌な思いをすることになります。明らかに自分の業務の範囲外は断ってもいいでしょう。

5:人からの評価を気にする人

仕事を頼まれたとき断ると、頼んできた相手との関係に亀裂が入り、周囲から「この人は仕事を断る人だ」という認識を持たれることがあります。

人からの評価を気にする人は、自分にマイナスな印象がつくことを恐れて、仕事を押し付けられても「わかりました」と快く引き受けてしまう場合があるので注意しましょう。

6:自分に自信が無い人

自分に自信が無い人は人に嫌われることを恐れているため、周りの顔色を窺って過ごしがちです。仕事を押し付けられても、他人の目が気になって仕事を受けてしまう場合があるでしょう。

自分に自信がないので、仕事を断れば「仕事ができない人」と周囲から判断されるのを恐れてしまうのです。

7:優しい人

優しい人も仕事は自分の気持ちより相手のことを優先してしまうため、仕事を押し付ける標的にされやすいので注意しましょう。大変そうな振りをして仕事を頼めば、仕事を引き受けてくれると思われている場合があります。

8:断ることが苦手な人

断ることが苦手な人は「断ることは悪い、失礼なことだ」と思っている部分があるため、仕事を押し付けられても引き受けてしまいがちです。自分も仕事を多く抱えているにもかかわらず、「いいよ」と言ってしまい、仕事の量が増えてしまいます。

頭では「断らないと自分の首をしめるだけだ」と思っていてもなかなかはっきりと自分の意見を伝えられません。断る勇気が持てずにいると、どんどん押し付けられてしまうでしょう。

9:自己主張が苦手な人

自己主張が苦手な人は、「仕事を頼んでも断らないだろう」と思われ、仕事を押し付けられがちです。仕事を多く抱えていて困っているときは、自己主張しないと、あなたのところで業務が停滞し、トラブルの元になることもあります。

押し付けられているのか任せられているのかの判断基準とは

押し付けられているのか任せられているのかの判断基準とは

押し付けられているのか任せられているのかの判断基準は、その仕事が相手にとってやりたくないものだったかどうかで見ていきます。

たとえば、責任が重い仕事、高度な知識が必要な仕事は人に任せて、簡単なものばかり担当したがる人は、仕事を押し付けてくる可能性が高いでしょう。

「あなたの能力を信頼しているから任せたい」と言っても、その仕事が面倒でやりたくないから頼んできた、ということもあるので注意が必要です。

仕事の押し付けが解決しないときに知っておきたい5つの手段

仕事の押し付けが解決しないときに知っておきたい5つの手段

自分からはっきりと断っても、話しかけにくい空気を出しても、相手が強気な態度で仕事を押し付けてきて、その勢いに負けてしまうこともあるでしょう。そのような場合は、これから紹介する以下の手段を試してみてください。

1:さらに上の上司に相談する

上司に相談して解決できなかった場合、その上司よりもさらに上の上司に相談してみましょう。状況が変わらないのであれば、同じ人に同じ申し出をしても改善されない可能性があります。

2:会社の相談窓口に相談する

部署内でどうにもならない場合は、会社の相談窓口に相談することも検討しましょう。無理な仕事の押し付けはパワハラに該当する可能性もあるでしょう。

部署を統括する上司にとって問題を大きくされることは自分の評価にもつながってしまうため、会社の相談窓口から指摘されれば、仕事を押し付ける人に対して事情を聴くなどの状況改善に努めてくれることもあります。

3:労働基準監督署に相談する

さらに上の上司や会社の相談窓口に相談しても状況が変わらないときは、労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署は労働者がトラブルに巻き込まれた際の相談役として機能します。

電話で相談員が対応してくれるので、会社内で解決しない場合は労働基準監督署に相談することも視野に入れておきましょう。ただし、相談内容によっては動いてもらえないこともあります。

4:部署の異動願いを出す

大きな問題にして人間関係への影響を避けたい場合、部署の異動願いを出すことも検討してみてもいいでしょう。特定の人にマークされ、その人に仕事を押し付けられている場合、部署が変わって接点がなくなれば、その人からは解放されます

5:転職を視野に入れる

会社によっては部署移動できないこともあります。上司や会社が問題を改善しようとしない場合、転職を視野に入れるのもいいでしょう。組織全体で業務量が多い場合、転職することで問題から解放される可能性があります。

対処法を知って仕事を押し付けられないようにしよう

対処法を知って仕事を押し付けられないようにしよう

人手が足りなくて本当に困っているならば別ですが、面倒な仕事ばかり押し付けられると「自分がやりたくない仕事を回してきているのか」とストレスになるでしょう。

周りの目があるから嫌な気持ちに蓋をして仕事を受けてしまうと、「この人は仕事を押し付けてもOKだ」と相手に思われやすくなります。

はっきり断ることは勇気がいりますが、話しかけにくいオーラを出したり、上司に相談したりなどの対処法を参考に仕事を押し付けられないようにしましょう。

Written by KOIGAKU

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