セックスの向こう側にあるものとは? 「AV男優」という職業から見えること

夜オンナへいらっしゃい。夜の性活相談員・小室友里です。夜の性活、潤ってますかー? 皆さん、『ニンフォマニアック』観ましたか? 私は見逃してしまいました…。キョーレツな後悔が襲ってきます。映画評を見るほどに観とけば良かったー! と思うばかりです。

セックスの向こう側にあるものとは? 「AV男優」という職業から見えること

さて、同じ「性」を扱った映画でも、私がおススメしたいのはAV男優の「性」を扱った映画です。2013年2月。渋谷の単館上映を皮切りに、日本各地で上映された『セックスの向こう側 AV男優という生き方』。

日本を代表する20人のAV男優が、各々が語る「性」や「セックス観」、「AV」、そして「AV男優としての自分自身」について語るドキュメンタリー映画です。

知っていましたか? AVは毎月の新作が4,500本以上発売されていて、AV女優は毎月300人以上デビューし、AV女優と呼ばれる女性が1万人以上業界に存在していることを。にもかかわらず、AV女優のセックスパートナーとなるAV男優は、若干70人ほどしかいないということを。

70人というのは、AV男優として業界人に認められている人の人数と思ってもらえればいいと思います。実際には副業的にAV男優をやっている人や、監督や制作スタッフでありながら時に出演したりする人もいます。「AVに出たことがある」と大枠で見れば、人数はもう少し増えると思います。

「AV男優になって、可愛い子といつもセックスできて、いい仕事ね」男性からだけでなく、女性からもこう言われたこともあったと思います。AV男優にとっての「いい仕事」は、可愛い子とセックスすることじゃないんです。

可愛い子が男とセックスしているところを、よりよくみせてくれるようにお膳立てをすること。言ってしまえば男性器ですらAV女優さんを引き立たせるための道具に過ぎません。彼女たちが最高のエロスをみせてくれるなら、ディルドだってバイブだっていいんです。

しかし血の通う生身の男の方が、彼女たちも安心するし、思いがけないドラマも生まれる。だって、人間ですもの。成功もあれば失敗もある。それらもぜーんぶひっくるめて、AV女優のエロスを根底で支えるのが、AV男優の仕事だと思います。

セックスサイボーク、なんて言われ方もしますが、彼らが本当にセックスサイボークだったら、きっとAV業界はもっと前に廃れていると思うんですよね。少なからず彼らが営むセックスには彼らの意志が含まれていて、その意志を受け取った相手の女優さんが何らかの反応をする。

その反応がカメラの向こう側に伝わっていなかったとしても、男優と女優はその反応によって、点と点だったお互いの存在が線で繋がり、次のセックスはまた違う反応が生まれる。

その反応が大きくなって画面の向こう側に伝わり、女優さんの評価になる。観る人が思う、女優の良し悪しを支えているのもAV男優なら、AV業界のお客様を捉えているのもまた、AV男優だと私は思うんです。

縁の下の力持ち的な存在のAV男優が主人公になった『セックスの向こう側 AV男優という生き方』。もう映画上映は終了していてDVDで観られるのみですが、インタビューシーンが多いので、DVDサイズで程よく観られると思いますよ。
(小室友里)

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