オトコを褒めて伸ばす「 ピグマリオン効果」を得るための正しい方法って?

子供の学力を上げる手法の一つに、「ピグマリオン効果」というものがあります。これは、アメリカの教育心理学者であるローゼンタールが発表したもの。

「オトコはほめて伸ばせ」ってホント?
彼の実験では、教師が期待をかけた生徒とそうでない生徒では成績の伸びに明らかな違いが見られたことから、他者からの期待値が人の成長を決定づける大きな要因のひとつになるのだという考え方のことを言います。簡単に言うと「ホメて伸ばそう」ということです。

普通に考えても、毎日「あなたはダメだ」と言われ続けている人と「あなたはできる」と言われ続けている人ならば、物事に対する取り組み姿勢やチャレンジしてみようという積極性などに大きな違いが出てくることは明らかです。

となれば、あなたの彼(夫)にもこれを利用しないテはありません。彼にはイキイキと仕事を頑張ってほしいですものね。仕事で成果が出せればお給料を上げるチャンスにも恵まれますし。

しかし一方で、ピグマリオン効果には疑問を持っている人も実際は多いです。よく言われるのが「期待ばかりかけていると、まだ努力もせず何の力もない状態なのに、自分は何でもできると勘違いしてしまうのではないか」ということ。

確かに「あなたはやればできる!」と言われ続けている学生が、実際は勉強していないのに「自分はやればできるんだ」と思っているだけでは何の成果も出ないですからね。その上、他人の期待に本人が応えきれず精神的に追い詰められてしまったら逆効果となってしまいます。

話は変わりますが、最近、転職アドバイザーをしている友人と会いました。今は男女ともに転職が当たり前ですから、彼女も毎日いろいろな方のご相談を受け、とても忙しいそう。そんな中で、今でも記憶に残る数年前のできごとを話してくれました。

外資系企業でバリバリと仕事をしたいという男性の転職相談。そこそこのキャリアも語学力もある方で、おそらく転職先は見つかるだろうということで面会のアポを入れたら、ご夫婦でいらしたとのこと。

面談が始まり、具体的な転職先の話をしだした途端、奥さまが「もっと高給な仕事がいい」と言い出したそうです。違う業界の会社ならばより高給な仕事はありましたが、ご主人様の考えているキャリアパスと照らし合わせると合致しないのでは…と話し、男性は納得。しかし、奥さまは「あなたはもっと稼げる力がある!」「あなたはすごい事務処理能力があるんだから、仕事選びで遠慮しちゃダメ!」と、終始夫を鼓舞し続け、結局その日は何も決まらず帰ったそうです。

「その男性は何を目標に、どうなりたくて仕事に臨んでいるのかさっぱりわからなかった。奥さまがご主人様をすごく尊敬していることは理解できるし、実際、仕事する能力は高い男性なんだと思うけど、あれじゃ転職が決まらない気がした」と彼女は言っていました。

「男性をホメて伸ばす」ときに、気をつけなくてはならない点がここにあると、私は思いました。具体的にまとめると、次のようになります。

1.自分の期待と相手の意思を混同しない
例えばあなたが「将来はセレブと結婚して優雅な専業主婦になりたい」という願いを持っていたとします。そこに彼が「僕は将来、金持ちになって早期リタイアしたい」と言ったとしたら…。

表面上はお互いの目指すところが合致しているので、「彼の目標=自分の目標」と思い込みがちです。すると、いつのまにか彼は自分の願いを叶えるための「手段」となり、前述の奥さまのように、彼が仕事で何を成しえたいかということは置いておいて、「収入を上げる」ことだけに執着してしまうようになります。彼の願望と自分の期待は別物と心得ておく冷静さが必要です。

2.彼の目指すゴールではなく、プロセスに対し勇気づける
彼が「僕は将来、社長になりたい」という目標を持っていたとします。あなたは「きっとあなたならできると思う!」と勇気づけるでしょう。しかしそれは一足飛びに「社長になる」ことに対してではなく、「社長になるために学ぶであろうステップ一つ一つを超えていくことができる」ことに対して行いましょう。

そこを忘れてしまうと、もし今の会社で彼が何かうまくいかないことがあったとき、本来はそこで踏みとどまって学ぶべきことがまだ多くあるのに「あなたの能力を生かせない会社が悪い! あなたは社長になる力があるんだから。いっそのことそんな会社見切りをつけて独立しちゃえば? そうすれば社長になれるし!」などと、あまり有益ではないアドバイスをしてしまうことがあります。

3.彼の欠点や足りないところも冷静に把握しながら、いいところだけホメる
「あなたはできる! 大丈夫」と言われると彼は安心するでしょう。しかし、「どこがどう良くて、何ができるのか」がわからないと、幼児のような万能感だけが植えつけられ、前述した学生のように「まだ何も勉強していないのにすごく頭がいい(であろう)自分」に満足するようになってしまいます。

ピグマリオン効果を期待するなら「プレゼンはうまくなってきたよね。もう少し話し方をゆっくりさせたら、もっと説得力が出るよ」といったように、具体的に何が良くて、どこを改善していけばいいのか明確にしましょう。

女性は付き合う男性によって人生変わるといいますが、男性も同じだと思います。お互い、いい影響を与えあえる関係でいたいものですね。
(佐藤栄子)


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