さあハイヒール折れろ~こんな対談するんじゃなかった~ 第2回 恋愛は男主導がいいの!? -ジェーン・スーさん(1)

本当のことを知りたいのである。恋愛のことももちろんだけど、女性のことをもっと知りたいのだ――。この連載では、松居大悟が、恋愛猛者の女性たちと熱き激論をかわしていきます。今回は『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』著者のジェーン・スーさんと対談してきました。

<著者プロフィール>
ジェーン・スー
1973年、東京生まれ東京育ちの日本人。作詞家/ラジオパーソナリティー/コラムニスト。音楽クリエイター集団agehaspringsでの作詞家としての活動に加え、TBSラジオ「ザ・トップ5」を始めとしたラジオ番組でパーソナリティーやコメンテーターを務める。『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)が発売中。ブログ『ジェーン・スーは日本人です。』

○出会いはクラブ、スピリッツつながり

――おふたりはどういうつながりなんですか?

ジェーン・スーさん(以下敬称略)「最初は三宿のWEB(クラブ)だよね」

松居大悟さん(以下敬称略)「申し訳ナイト(DJイベント)ですね」

ジェーン「クラブで出会ったって、おしゃれー(笑)」

松居「それが2年くらい前ですね。監督した『アフロ田中』っていう映画が公開する直前で。ジェーン・スーさんスピリッツ(漫画雑誌「ビッグコミックスピリッツ」)好きなんで」

ジェーン「私超『アフロ田中』好きで。映画大丈夫~? ぐらいの感じで、イチファンとしてあるじゃないですか、実写化ブームどうなのって。観に行ったらすごいおもしろくて『おもしろかったよ』って」

松居「そこで知り合ってシケ金(ジェーン・スーさんがパーソナリティーを務めるラジオ番組「ORDINARY FRIDAY~つまりシケた金曜日~」)に呼んでもらって」

ジェーン「原宿で毎週金曜日に生放送やってるので、そのときに宣伝でも来てくださいってことで」

松居「今年公開した映画でもまた遊びに行かせてもらって。『男子高校生の日常』で」

――プライベートでも会われるんですか?

ジェーン「ぜんぜんそれはない」

松居「Twitterちらちら見ているくらい」

ジェーン「Twitter上の付き合いです。Twitterとお互い宣伝があるからという付き合い(笑)」

松居「そうそう、この連載のタイトルを『THE3名様』の石原まこちんさんに書いてもらったんですよ」

ジェーン「なにその、そんなスピリッツのいろんな女と寝るみたいな(笑) そう、まこちん先生また始まったじゃないですか」

松居「あ、『キミ! さいよー』」

ジェーン「のりつけ(のりつけ雅春)先生は次は?」

(……しばらくスピリッツの話が続く……)

――あ、あの……

ジェーン「スピリッツが好きなんで私」

松居「僕もほんとスピリッツは購読してるんで」

ジェーン「……こういう仲です(笑)」

○男は”男主導”にしたい生き物?

――ラジオで会ったときにも今の漫画の話とか、あと恋愛の話とかもされていたんですか?

松居「作品が『アフロ田中』と『男子高校生の日常』だったんで必然的にやっぱりそんな感じで。恋愛論……」

ジェーン「恋愛論っていうか、恋愛無駄話みたいな」

松居「僕はわりとジェーン・スーさんから怒られるみたいな感じ」

ジェーン「怒ったつもりもないんですけどね」

松居「本(『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』)を読んでいて思ったのが、男って結局ものすごく男主導な生き物なんだっていうのがわかりました」

ジェーン「男主導にしたほうが男は機嫌がいいんだなっていうのを、私は長い時間かけて学んだんですよ。男主導にしないと結局うまくいかないから、うまくやりたいんだったら男主導にした方がいいんだなと思って」

松居「僕は自分が男主導にできないタイプだから。でも往々にして多くの男達は自分からいきたいものですよね」

ジェーン「いや、松居さんだってめちゃめちゃ男主導を望んでるじゃん! 話聞いてて誰の話してるんだろうってぽかーんって聞いてたんですけど!(笑) 『俺から言わせろ』ですよね、結局は」

松居「……さっそくきましたね。」

――どうして松居さんが男主導だと思われたんですか?

ジェーン「それはなんだろう……2回シケ金で話したり2回ごはんに行ったりとかした中で、結局自分で仕切りたいんだろうなっていうのを言葉の端々から感じて。あと職業、映画監督だしね。ディレクターでしょ!?」

松居「でも仕事と恋愛は分けてるつもりなんです。いっしょに考えようっていうスタンス」

ジェーン「いっしょに考えようって言ってるけど、よくよく話を聞いてると、『俺のペースで』いっしょに考えようってことじゃないですか。いっしょに考えるって相手のペースに合わせるってことでもありますから。俺のペースでいっしょに考えようっていうのは責任を回避しようとしているだけで」

松居「わー、痛い痛い!」

○おとなしそうな女の子のほうが恋愛上手?

ジェーン「恋愛ベタっていう人に限って女の人に下駄を預けないですよね」

松居「どういうことですか」

ジェーン「女に下駄を預けると、仕切れない俺っていうのをすべての側面で自覚していくわけじゃないですか。それはやっぱり嫌なので、体力的にもいろいろ経験的にも自分より相当低い人を対象にしていく。それなら、自分で仕切りきれなくても、なんとなく分が悪くならない。実はそういうおとなしそうな女の子の方が100枚くらい上手で、男の人は女の人が敷いた線路の上を歩いていくんです」

松居「そうなんですよ。おとなしそうな女の子のほうが恋愛がうまかったり。こっち的にはファーストインプレッションでちょっと不器用そうだから俺がリードできるなと思っていくと、向こうのほうがレベル高かったりとかしてヒヨったり。意外とちょっと強気な人のほうがあんまりって。なんでなんですかね?」

ジェーン「やっぱり一歩引いたほうがうまくいくっていうのがもともとわかってる、おとなしい女の子は。っていう時点で生き物としてかなり優秀なんだと思うんですよ。

これってけっこうまじめな話で、男女同権っていって男でも女でも好きなものになれます、頑張って勉強すればなりたいものになれますよ、もう女の人はなんでもできますよって言われて育ったのに、がんばってがんばって手に入れたものが多ければ多いほど男からひるまれるっていうおそろしい事態に20代中盤くらいに直面するわけですよ。あらァ!?? みたいな」

松居「仕事できればできるほど」

ジェーン「そうそう、知ってることが多ければ多いほど。男の人は好きな女の子を喜ばせたいし、女は好きな男の人に喜んで貰いたいから、してもらったことに『わあ~! すごい!』ってリアクションする。すでに経験してんのに。そういうことが自然とできるっていう時点でやっぱり、おとなしい女の子は本当にものを知らないか、喜んでおいたほうがうまくいくっていうのをわかっているか」

松居「え、その、どうなんですか。幸せな恋愛をするためには本当は知ってるけど知らないふりをしたほうがいいってこと?」

ジェーン「スムーズな恋愛をするためにはそれも手の一つとしてはあると思いますけど、幸せな恋愛をするためには女の人は勝手に場面場面で男の人に男らしさを求めないっていうのが一番大きいと思うし、男の人は男の人で『俺がリードしたい』っていうのが本当の欲求なのか、そうじゃないと社会的になんとなくかっこ悪いってことなのかの見極めをしてもらって」

○デートで行くお店は男が決めるべきなのか

松居「でもね、けっこう潜在的なものなんですよ、男がリードしたいとかは。でも意外とデートで何食べるとかは、ちょっとヒントほしいんですよね。今日肉じゃないのか、肉なのか、麺の感じなのか、とか。なんでもいいって言われたら本当に困る。なんか1個ヒントくれたらそこからじゃあこれとこれってなる……」

ジェーン「なんでそこしなきゃいけないんだっていうんですよ(笑) こっちはいい店知ってるのに、なんでヒントあげてあなたのそっちを待たなきゃいけないんだっていう……」

松居「じゃあそう言ってくれたらいいのに!」

ジェーン「どんどん言っていくと機嫌そこねちゃうから、だからめんどくさいんだって(笑) 男の人は『何食べるか俺が決めるのはヒントがないと難しいけど、ヒントがあれば俺考えるよ』っていう。こっち店知ってるしな、なんでその補助輪付けなきゃいけないんだろうな……っていう」

松居「それってなんなら決めてもらってもいいんですけど、それってどういうふうに言われたら決められるんですか? そっちのが店詳しいのに、みたいな?」

ジェーン「『店詳しかったら教えて、俺はそんな知らないから』とか言ってもらったほうがいい。気は楽。そこで『男の子なんだからさあ』とか言う女はほんとに付き合わないほうがいいと思いますよ。私は過去にそれをやってきたんで、やってきたくせにそういう人たちのことを悪く言いますけど」

松居「そこで『わかんないから教えて』って言って、『わかんない決めて』って言われたらまたなんかイラッとするじゃないですか。『いっしょに考えよう』がいいですよね」

ジェーン「いっしょに考えるって難しいでしょうだって……」

松居「いっしょに食べログ調べる、みたいな」

ジェーン「じゃあ『食べログいっしょに見よう』とかそういうところをリードしてもらえればいいんですけど。食べログ3つ選んでどれがいい? みたいなことだったら全然アリだと思いますよ。それって十分リードだと思う。店を知ってるとかいうことじゃなくて」

松居「なるほど、知識としてではなくて」

ジェーン「ぜんぜん。場面の進行管理能力をやっぱりつけてほしいですね。そこでいいものをプレゼンできるかとかではぜんぜんないです」

(つづく! )

<著者プロフィール>
松居大悟
1985年11月2日生、福岡県出身。劇作家、演出家、俳優。劇団”ゴジゲン”主宰、他プロデュース公演に東京グローブ座プロデュース「トラストいかねぇ」(作・演出)、青山円劇カウンシル#5「リリオム」(脚色・演出)がある。演劇のみならず映像作品も手がけ、主な作品としてNHK「ふたつのスピカ」脚本、映画監督作品「アフロ田中」、「男子高校生の日常」、「自分の事ばかりで情けなくなるよ」。次回監督作は「スイートプールサイド」2014年公開予定。

タイトルイラスト: 石原まこちん

(松居大悟)

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